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アスカ 短編集
雨の日の日曜日は
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『その・・・さっき言ったのって・・・・本当?』


『・・・本当さ・・・』


『・・・冗談じゃなく?』


『・・・うん・・・』


『・・・・・・・』


そう言って僕はアスカを抱きしめる



『・・・あ・・・



・・・うん・・・



・・・えと・・・



・・・あ・・・



・・・ありがと・・・』




何だか返答にもなっていない言葉が君の口からこぼれる


君はもう恥ずかしさで消え入りそうなくらい小さくなっていた




ああ・・・今までの僕は、なんて馬鹿だったんだろう


君は、こんなにも可愛い女の子だった


もっと早く・・・君の気持ちに応えてあげればよかった


僕の気持ちを・・・伝えればよかった





後悔しても、全てがもう遅かった





僕らは・・・しばらくこうして抱き合っていた


始めは恥ずかしがって顔をうずめていた君


まだ、ほんのちょっぴりプライドが邪魔をしているのか、中々すっきりと現実を認められないみたいだ


僕は・・・君が戻ってくるのを


ゆっくりと待った








半刻位はこうしていたかな?


『・・・・・・・た・・・』


『・・・・えっ?・・』


ようやく君が口を開く




『・・・・お腹すいた・・・』


『・・・え・・・?』


開口一番がそれか(汗)


『ブッ!!』


僕は思わず噴出す


でも、君は少し照れながら、悪びれずに答えた


『・・・だって、お腹すいたんだもん!』


『そうだね・・・そういえば今日はまだ何も食べてなかったっけ・・・・何か作るよ!』


『・・・・いい・・・』


『・・・えっ?』


『・・・外に・・・食べにいこ・・・』


『えっ・・・で、でも、外は雨だよ?・・・嫌いだろ?・・雨?・・・・それに・・・』


君は・・・少し照れながら答える


『・・・雨も・・・』


『・・・雨も?・・』


『・・・ちょっと・・・・いいかな〜・・・・なんて・・・ね・・・』




『・・・え・・!?』




あれ?


あれっ?


君ってこんなだったっけ???




僕の思考がフリーズした




今度は・・・


君が・・・僕が戻ってくるのを、ゆっくりと待つ番だった

















―epilogue―






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