暗闇の中の出来事・2
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が、サスケの命を奪う気なんてないという事を。
すっかりと場の雰囲気に飲み込まれ、動く事が出来ずにただ見ていただけだった私の背を、テンが押してくれた。
〈ラン〉
「――…あぁ」
すぅ。
はぁ。
軽く深呼吸。うん。息は出来る。
「行ってくる」
〈うむ〉
握り締めた手の平には爪の痕。
その手の平と額には汗が滲み出てた。
緊張してたと自覚すれば、心臓の音がおかしい事に漸く気付く。
予想以上に余裕がない事に苦々しい表情を浮かべそうになるけど、今はそんな事をして足を止めてる場合じゃないね。
「そこまでにしてくれないか」
纏っていた風の衣を一枚ずつはがしながら、私は足を踏み出す。多分だけど、二人には突然私がそこに現れたように見えるはず。
案の定予想していなかった私の登場に、イタチさんは冷徹な忍としての表情を崩しそうになる。が、すぐさま持ち直した。
それだけで、イタチの覚悟がどれほどのものだったのかが伝わってくる気がする。
「な……んで…ランがここに……?」
イタチとは違い、闖入者である私の存在を流せなかったサスケの口からは疑問が漏れる。
「止めに来た」
サスケの疑問は尤もだけど、その疑問にはあっさりと返事を返しながらイタチから視線を外さないようにしておく。
予定外の私の存在。
ひょっとしたら、話をする前に殺されそうになるかもしれない。それに、イタチが本気なら私なんか瞬殺されるしね。
でも、とりあえずは瞬殺する気はないみたいで、イタチは立っている場所から動こうとはしてない、ように見えた。
自信は……あんまりないけどね。
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