物は試し
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ら指輪を取り出した。
それを見て、響は顔を引きつらせる。
「ま、待って! 何それ!? その指輪、何をするやつなの!?」
「サンダー」
簡潔に答えたウィザード。
「もう名前からして物騒な名前ッ!」
「大丈夫大丈夫。手加減するから。ほら、こういう失った力って、同系統のものを浴びると治るとか言うじゃない?」
「言わないよッ!」
だが、ウィザードは響の腕を掴み、その腕にサンダーのウィザードリングを嵌めた。
「まあ、これも物は試しだ。やってみよう。手加減するから」
「いやだから……」
『チョーイイネ サンダー サイコー』
「わ、わたしの腕があああああああッ!」
響に付けた指輪より現れた、雷の術式が印された魔法陣。
最初は風のウィザードの色である緑だったが、すぐさま黄色に変わっていく。
「うおおおおおおッ! 出てる出てる! 雷出てるッ! わたしの内側から何だかビリビリと雷出てるよッ!」
「っ!」
ウィザードはすぐさま足元に風を発生させ、響の頭上へ跳び上がる。
同時に、響の手元の魔法陣より、黄色の雷が発生した。天高く飛び上がり、高速道路を破壊しようとするそれ。
ウィザードは身を挺し、雷をその身に浴びた。自らの魔法陣を書き換えられたそれは、もはや別人が放った雷と何ら変わりはない。
変身解除されながら、ハルトは響の前に転がった。
「ハルトさん!」
「だ、大丈夫……ちょっと体が痺れるけど……」
響に助け起こされるハルトは、その姿を見て唖然とした。
白でも黒でもない、新しいガングニールの色。白銀の鎧と、魔法陣があったところには刃が雷で構成された大剣が握られている。
「これ……響ちゃん!」
「ん? ……あっ!」
響は、そこでようやく自らの体を見下ろした。
「これ……なってる! わたし、サンダーベルセルクにッ!」
「おお!」
久方ぶりに見る、ムーに由来する種族、ベルセルクの力を受けた姿。
それに思わずハルトは手を叩いた。
「成功だね! あとは、これをソロが察してくれれば……」
「来てくれますかね……?」
「ここまでやったんだから、むしろ来ないと俺は怒る」
「じゃあ、ちょっと……あ、でももう少しエネルギーを出した方がいいかな? 攻撃、どこにやればいいんだろう?」
「取りあえず、じゃあ俺に」
ハルトはそう言って、少し響から離れる。手招きして、響に攻撃を促す。
「だ、大丈夫? これ、結構攻撃力高いよ?」
「大丈夫……いや、響ちゃんにはこう言った方がいいかな? へいき、へっちゃら」
ハルトは、トパーズの指輪を見せつける。
「変身」
『ランド プリーズ』
「続いてこれ」
『ディフェンド プリーズ』
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