第二章
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「だから安心してね」
「毎日みたいに会えるからな」
文太はふわりにこのことを約束した。
「安心しろよ」
「住むお家は違っていてもね」
そうなるがというのだ。
「何時でも会えるからね」
「安心しろ、お前達は何があっても離れない」
「ずっと一緒よ」
「ワンワン」
今の自分の両親達の言葉を聞いてだった。
ふわりは理解して明るい声で鳴いて応えた、尻尾もぴこぴこと横に振った。そうして自分の本当の両親にそれぞれ抱かれてだった。
新しい家に向かう妹達を玄関まで見送った、ふわりはずっと温かい目で妹達を見てまた会おうねと目で言っていた。
その話を仕事から帰って聞いてだった、家の息子の洋介はケージの中のふわりを見ながら両親に言った。
「ふわりもわかってくれたんだな」
「ああ、俺達の言葉も信じてくれた」
父は息子に笑顔で答えた。
「そうしてくれたんだ」
「そうなんだな」
「それで優しく見送ってくれた」
「そこはふわりだな」
「賢くてな」
そうしてというのだ。
「優しい娘だな」
「そうだよな、とてもな」
今はケージの中で丸くなって寝ている彼女を見つつ話した、その寝顔はとても幸せそうなものだった。
「それじゃあな」
「ええ、これからは毎日ね」
由里子も息子に話した、それも笑顔で。
「ふわりをあちらのお家に連れて行ってあげてね」
「妹さん達を会わせてあげるな」
「そうするわ、とても仲のいい姉妹だから」
それでというのだ。
「これからもね」
「家は離れてもか」
「別のお家になって親は違う様になっても」
それでもというのだ。
「姉妹だから」
「それでだよな」
「毎日会う様にするわ」
「ふわりにとってもいいことだな」
「とてもね」
「全くだ、あとあの二人だがな」
ここで父はふわりの前の飼い主で女の子達の前の親であった百田家の夫婦の話をした。
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