01 プロローグ 濱乃の憂鬱
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「今日から?・・・ああ、そうですね」
今日が浜風にとって就役日となる。正式に艦娘として登録される折り、それまでの名前である《濱乃》を捨て、《艦名》を名乗らなければならない
少女が呼び掛けに応じたのを見て、その女性はほっとした様子で表情を緩ませ、微笑みかけてきた
「お待ちしておりました。はじめまして、浜風さん。私は、某(なにがし)鎮守府の秘書官の大淀と申します」
「大淀」と名乗るその女性は、艦娘の一人にして某鎮守府の秘書官だという
腰まで届く黒髪ストレートのロングヘアーにアンダーリムのメガネが似合う、知的な印象の女性だ
腰があらわになる程大きく開かれたサイドのVスリットにミニスカにセーラーという、よく言えば個性的な、有り体に言えば扇情的な制服を着用していた
知的で清楚な物腰とは裏腹に、その腰つきは中々に妖艶で、見る者の目を釘付けにしてしまう・・・・
その奇抜なデザインに、浜風は目を奪われる
日頃《濱乃屋》から出た事のない浜風にとって、大淀のビジュアルはとても新鮮でめずらしかった
とにかく艦娘の制服は皆個性的で、浜風にはだいぶん刺激的で興味をそそるものであったようだ
その視線に気付いた大淀は、少し恥ずかしそうに言い訳をする
「こ、これは、提督指定の制服で・・・し、仕様なのです。私の趣味ではないのですよ?」
無論これはウソである。70年前の頃より、大淀の制服はずっとこのままである。幸い、幼い浜風には、大淀が何にうろたえているのかなど、まるで理解の外にあった。そのVスリットを見ても
「テイトク、という人が考えたのですね?・・・・すてき・・・・」
「そ、そうですか・・・ありがとうございます・・・?」
「・・・・あの・・・・・」
と、濱乃・・・・浜風が口を開く
「はい、なんでしょうか?」
「・・・お待ちしてました・・・って事は・・・は・・浜風・・・は、ここに、来る事になってたの?」
「・・・?・・・はい、そうですよ?」
「・・・あの・・・浜風は・・・・どうしてここにいるの?・・・浜風、早く帰りたいです・・・」
「お家の方からは、お話を聞いていませんか?」
「・・・ここに、いなさい・・・って・・・」
「それだけ、ですか?」
「・・・はい・・・」
「そうですか・・・簡単に説明すると、今日は新しい艦娘のお披露目の日です」
「・・・・お披露目?」
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