第七章
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「絶対のエース二人でと思ったけれどな」
「山本でまず一勝といかずにか」
「宮城で一敗だ、しかもヤクルトは高橋が頑張っただろ」
「完封したな」
「そのピッチングがよくてな」
何度もピンチを凌いだそれがというのだ。
「流れが変わったってな」
「そう思ってか」
「ああ、だからな」
「予告先発止めたか」
「そうかもな、これが結構大きいかもな」
シリーズにおいてというのだ。
「短期決戦だからちょっとしたことで流れ変わるしな」
「そうなるか」
「それに対して高津さんは采配ぶれてないだろ」
「ああ、全くな」
「この差がな」
影響するかも知れないと言うのだった、そうした話も出ている中で東京ドームでの第三試合がはじまった。
ヤクルトは二回裏に制球の定まらない小川を攻め手ツーアウト満塁としたが攻めきれなかった、そして三回表一点を先制された。オリックスは三試合目ではじめての先制点であったが。
ヤクルトナインの目は死んでいなかった、むしろそれで燃え上がり田嶋を見据えて反撃の機会を虎視眈々と伺っていた。
その機会は来た、五回裏だった。
青木が田嶋からヒットを打った時点で中嶋は田嶋を交代させた、それを見て眉を顰める者がいた。
「早くないか?」
「そうだな、ちょっと交代早いよな」
「まだワンアウトでランナー一塁だろ」
「しかも百球いっていないぞ」
「それで交代か?」
「早過ぎないか?」
この交代が早いと思った、二番手の比嘉とやらは山田哲人をショートゴロに打ち取ったがここで中嶋はその比嘉を交代させた。
三番手はバルガスだった、そのバルガスはツーアウトの状況から連続でフォアボールを出した、それで満塁となり。
バッターボックス中村が入った、ここで高津は中村に言った。
「落ち着いていけばいい、普段通りにだ」
「バットを振ればいいですね」
「そうすればいい、迷うことはない」
こう言ってバッターボックスに送り出した、そうしてだった。
中村は高津の言葉通りに冷静でありバルガスのボールを冷静に見た、そのボールが打てると確信した瞬間に。
バットを一閃させた、すると打球はセンター前に落ちた、中村は見事打点を挙げた。
そこにオリックスの宗とやらが送球ミスを犯しさらに得点を重ねた、ヤクルトは三点を手に入れて見事逆転に成功した。
「やったぞ!」
「逆転した!」
「このままいけ!」
「やってやるんだ!」
ナインもファンも歓喜した、この三点は誰もが大きいと思った。しかし好事魔多しと言う。
その直後の六回表にヤクルトは二点を失い試合は三対三の振り出しに戻ってしまった。
この六回で高津は先発の小川を降板させて七回からはA=スアレスを投入したがコントロールが不安定でフォアボールを二つ出してしまった。
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