第一章
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いきなり家に来られて
この日の午後まで水上家は平和であった、祖母の月代は孫娘で高校生の亜美が作ったスパゲティを食べていた。茶色の短い髪の毛で縁のない眼鏡をかけた小柄で皺の多い優しい顔立ちの清潔な服装の六十代の女性だ。夫は七十になるがまだ働いていてこの日は学校が創立記念日で部活もない孫娘にお昼ご飯を作ってもらっていたのだ。月代の息子夫婦で亜美の両親は共働きで今は仕事に出ていて家にいない。
スパゲティはナポリタンだった、彼女はそのナポリタンをフォークを使って食べながら微笑んで言った。
「このナポリタン美味しいわね」
「そうでしょ、オリーブオイル使ってね」
テーブルの向かい側の席に座って食べる亜美が笑顔で応えた、やや面長で黒い髪の毛をロングにしている。大きな目と唇は明るい感じで一六七位の背で脚は長く胸もある。部屋着でもスタイルの良さが目立っている。
「大蒜も入れたの」
「大蒜もなの」
「この二つを入れたらね」
亜美は祖母に笑顔で話した。
「スパゲティ物凄く美味しくなるの」
「そうなのね」
「そう、そこにさらにね」
亜美はさらに話した。
「チーズも入れたのよ」
「そうしたらなのね」
「尚更美味しくなるのよ」
「昔のナポリタンと違うわね」
「でしょ?本当にこの三つでね」
「ここまでの味になるのね」
「そうなのよ」
祖母に笑顔で話しながら昼食を楽しんだ、そしてだった。
食べ終わってから後片付けをしているとだった。
家のチャイムが鳴った、すると。
玄関の映像に見たことのない女の人がいた、その人はというと。
丸く何か濁った目でやたらと歯茎と歯が出ている面長の顔で黒髪をショートにしていた、姿勢は悪く随分と印象が悪い感じだ。
亜美はその人を見てから一緒に見ている祖母に問うた。
「お祖母ちゃんこの人知ってる?」
「誰かしら」
祖母も知らない感じであった。
「見たことないわ」
「何かしきりにチャイム鳴らしてるけれど」
「聞いてみる?」
「そうね、何のご用件か」
「それじゃあね、あのどなたですか?」
「はよ家に入れんかい!」
女は関西弁で怒鳴ってきた。
「そこにいるのはわかってんねんで!」
「えっ、誰がですか?」
亜美はその女に戸惑った声で応えた。
「一体」
「そこの女子高生の姉ちゃんや!うちの旦那に手出したやろ!」
「女子高生!?」
自分のことかとだ、亜美は聞いて思った。
「それって私ですか?」
「そこにおったか!はよ出んかい!」
「旦那って私今誰ともお付き合いしてないですよ」
それこそ誰ともでこう言えた。
「どなたとも」
「嘘吐け!うちにはバックに組合とか過激派おるねんで!」
「そう言われても知りません」
「知らん
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