第三章
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「限界だよ」
「というか一人でも毎日だとな」
島田は自分のことから述べた。
「結構以上だぞ」
「俺はそっちには自信があるからな」
「四人と結婚しようって言ったな」
「そうだったけれど実際にやってみるとな」
毎日四人を相手にしていると、というのだ。
「かなりな」
「大変か」
「そうだよ」
これがというのだ。
「そうなってるよ」
「そうか、しかしお前生活費はどうなってるんだ」
ここで島田は置鮎にこのことを尋ねた。
「一体」
「そのことか」
「ああ、どうしてるんだ」
「そっちは俺実は都内の一等地にビル持っててな」
「そのビルの賃貸しでか」
「そこに弁護士事務所とかクリニックとか入っていてな」
それでというのだ。
「収入はあってな」
「奥さん達養えていってるんだな」
「それで俺も働いてるしな」
そちらの収入もあってというのだ。
「大丈夫なんだよ」
「それならいいけれどな」
「ああ、しかし奥さんはやっぱりな」
「四人までか」
「四人以上になるとな」
「毎日それだとか」
「かなり大変だよ、世間の目はいいとして」
愛人がそれも複数存在することはというのだ。
「どうもな」
「そのことはか」
「大変だよ、だから他の奴にも言うな」
「どんなにそっちに自信はあってもか」
「奥さんは四人までにしとけ」
「そうした意味でイスラム教はいいこと言ってるんだな」
「そう思うぜ、何で四人までに定めたか」
置鮎は彼なりにコーランのこの教えを考えて述べた。
「よくわかったぜ」
「それ以上は身体がもたないか」
「人間な、だからだよ」
こう言ってそうしてだった。
彼は以後も四人の妻正確に言うと一人の妻と三人の愛人達との生活を楽しんだ、だが七十過ぎて孫達には奥さんは一人までにしておけと言った、それは何故かというと。
「人間歳取ると体力落ちてな」
「そっちがか」
「余計に大変になるからだ」
「そのこともわかったか」
「ああ、若いうちはよくてもな」
お互いすっかり髪の毛が白くなって顔も皺だらけになっている、そのうえで彼は島田に対して話した。
「歳を取るとな」
「体力が落ちてか」
「そうなるからな」
「奥さんはか」
「将来のことを考えるとな」
「一人の方がいいか」
「ああ、やっぱりな」
こう言うのだった、今も四人と楽しく暮らしている。だがそれでも七十になった時はこう言うのだった。
四人までは何とか 完
2021・12・22
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