役立たず
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でも、理由が分からないんだよね……コヒメちゃんは確かに珍しい喋れる荒魂だけど、それ以上の利用価値なんてあるのかな」
「そうだよね。そもそも、トレギアの目的は、その八岐大蛇の復活でしょ?」
「だよね」
「そもそもの条件としては、なんか、ノロってものが必要らしいのに」
「だよね……」
「あと、ソロは何て言ってたっけ? えっと……何とか石を壊すのが目的のはずなのに、なんで誘拐なんか……?」
「そうだよね……ん?」
その時、ハルトは響が口にした言葉に首を傾げた。
「ごめん響ちゃん、今何て言った?」
「何とか石を壊すのが、トレギアの目的のはずだけど」
「それも気になるけどそれの前」
「ソロから聞いた」
「それも是非とも共有したい情報だけどもっと前」
「ノロが必要?」
「もうその辺になると、細かい裏事情なんで君が知ってるのって話になるけど、その前。八岐大蛇って言った?」
「あ、うん。言いました」
八岐大蛇。
日本神話に登場する、巨大な怪物。
ハルトも一般常識としては知っているその名前が、なぜ今出てくるのか。
「いきなり馴染みのない単語が出てきたのは、何で?」
「そういえば、あの子……美炎ちゃん、だっけ? あの子も口走ってたよね」
ソラも響へ催促している。
振り向けば、清香も静かに響の言葉に耳を傾けていた。
「ああ……」
響は大きく頷いた。
「ソロから聞いたんだけど、今トレギア、その八岐大蛇を復活させようとしてるみたいだよ」
「正直そこから色々説明が必要だと思うんだけど……」
「ええっと……だから……」
そうして、響は、つい先ほど美炎とともにソロと戦ったことをハルトとソラへ伝えた。
ムー大陸と戦った古代の大荒魂、八岐大蛇。
そして、それを封印する八つの要石が、すでに六つ破壊されていること。
そして、大荒魂である以上、その肉体を構成する物質であるノロが必要であること。
「なるほどね……ソロがコヒメちゃんを狙ったのはそういうことか」
ハルトは頷いた。
「? どういうこと?」
「……移動しながら説明する。響ちゃん、ソロがどこにいるか、は分からないよね……仕方ない。探すしかないか」
その言葉とともに、病室から飛び出そうとするハルト。
だが、その足は、壁に寄りかかる存在によって止まる。
「……ソラ……」
「ん? 何?」
ソラ。
ファントムの人間態である彼は、肩をくすめた。
「行かないの? 早く行きなよ」
「お前は?」
「僕は、別にその怪物とか興味ないしね」
「ハルトさん」
響も、ハルトを急かす。
だが、ハルトはむしろ、ずんずんとソラのもとへ歩み寄った。
「お前も来い」
「どうして
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