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Fate/WizarDragonknight
役立たず
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 ハルトは歯を食いしばり、その事実に冷や汗をかいた。

「ハルトさん? もしかして、誘拐犯が誰か知ってるの? 可奈美も!?」

 美炎はハルトと可奈美へ問い詰める。

「青い仮面は、きっとトレギアだ。俺たちが……聖杯戦争の中で敵対している最悪の敵……!」
「最悪の……?」

 その言葉に、どんどん美炎の顔が青ざめていく。
 最悪、と言ってしまったことを後悔しながら、ハルトは可奈美と目を合わせる。
 可奈美は頷いて、ハルトに先を促した。

「願いを叶えることよりも、他の参加者を苦しめることを優先するような奴だ……でも、何のために……?」
「その人って、フェイカーの、サーヴァント?」
「え?」

 美炎から出てきたクラスの単語に、一瞬ハルトは動きを止める。

「確かにトレギアは、フェイカーのサーヴァントだけど……何で?」

 その時。
 一瞬、美炎の目が赤く染まった。
 変化した声色で、美炎はそれを口にする。

「八岐大蛇……」
「美炎ちゃん?」

 だがそれは、瞬きとともに元に戻る。

「美炎ちゃん!」
「可奈美ちゃん!」

 脱兎のごとく病室を飛び出す美炎と、その後を追っていく可奈美。
 追いかけようとする響をあっという間に引き離し、二人は病院から出ていった。

「ハルトさん、これ、どういうこと? わたしだけ、全く話が見えてないんだけど? それに、美炎ちゃん一瞬だけ人格が変わったように……!?」
「俺に聞かれても答えられないよ」

 詰め寄ってくる響を、ハルトはなだめる。

「穏やかじゃないね」

 その時、ソラが口を挟んだ。

「青い仮面って、あれだよね? この前見滝原ドームで大暴れしてた」
「何でお前がそれを知ってる……?」

 ハルトの顔が、一気に険しくなる。

「僕が見滝原に来たの、大体それくらいの時期だったからね。影から見てたけど、中々面白い見世物だったよ」
「……グレムリン!」

 ハルトは、怒声とともにウィザーソードガンで斬りかかる。
 同時にソラも、いつの間にか手にしていた剣でそれを防ぐ。
 静寂が似合う病院に響くその音は、不自然なまでに病室を支配した。

「へえ、君結構好戦的だね。それとも、これは僕だけ?」
「お前、いい加減に……!」
「やめてッ!」

 だが、ハルトとソラの間に、響の声が刺した。

「ここ病院だよ! 怪我人増やすところじゃないよ!」
「……ふん」

 その言葉に、ハルトは手の力を落とす。
 響はそれを見て、肩を撫で下ろした。

「トレギアが、その……コヒメちゃん? って子を攫ったんだよね」
「そうなるかな……」

 だが、顎を手に当てるハルトは、顔をしかめた。


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