暁 〜小説投稿サイト〜
貯金は必要
第二章

[8]前話
「そっちの用意もして」
「あと今度車を車検に出すでしょ」
「ああ、そうだったな」
「そっちのお金もあるわよ」
「車のローンもあるし」
「お金どんどん出て行くわね」
「そうだよな」
 西宮はぼやく様にして妻に応えた、二人共結婚してからも同じ職場で働き続けていた。だが博美はその彼等にさらに言った。
「まだよ、二人共子供出来てないでしょ」
「あっ、子供ですか」
「子供出来たら余計にですか」
「そう、お金がかかるわよ」
 今以上にというのだ。
「だからね」
「これまで以上にですね」
「お金は用意しておくことですね」
「それは出来てからだけれど」
 それでもというのだ。
「子供は授かりもの、何時出来るかわからないからね」
「何時でも子供が出来ていい様に」
「そちらのお金も用意しておくことですね」
「そうよ、だからね」
「結婚してからお金が何かと必要で」
「子供が出来たらですね」
「尚更だからね」
 それ故にというのだ。
「気をつけていってね」
「そうします」
「これからも」
「私も子供二人いるけれど」
 博美は自分のことも話した。
「これが本当にどちらの子もよ」
「お金かかりますか」
「そうなんですね」
「特に下の子は女の子だから」
「ああ、女の子ならですね」
「尚更お金かかりますね」
「服やら何やらでね」
 まさに何かと、というのだ。
「大変よ、だからこれからも貯金はね」
「していくことですね」
「そうしていかないと駄目ですね」
「そうしていってね」  
 こう二人に言うのだった、そして二人も頷いた、そして実際に子供が出来るとだった。
「男の子だけれど」
「本当にお金かかるわね」
「お金貯金しておいてよかったな」
「本当にそうね」
 二人で自分達の子供、まだ赤ちゃんの彼を見ながら話した。そしてつくづく結婚してからはお金が何かと出て行くことを実感するのだった。


貯金は必要   完


                2021・12・19
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ