贈り物
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笑みを浮かべて私に向かって手招きを一つ。私の名前に反応したサスケは、ぐるりと勢いよく後ろを振り向きいつものように睨み付けてきた。
…それが基本だよね。サスケの。
「……俺との手合わせか?」
イタチに振り下ろしていたクナイをホルダーへと戻し、サスケは弾んでいた呼吸を整える。油断すると弾かれたクナイが飛んできたり、火遁の熱にやられたりするから気をつけなきゃいけないんだけど、二人が腕を下ろした状態なら大丈夫。
「いや。今回はイタチさんに用事だ」
軽く首を横に振り、さてどうしようかとばかりにイタチに視線を向ける。ここで渡しても構わないかな。移動するとサスケが拗ねるだろうし。
既に手合わせじゃないと言い切った時点で拗ねているような気もするけど、気にしない気にしない。どうせ明日はアカデミーでサスケとずっと一緒に居るしね。
「俺にか?」
「遅くなり過ぎたけど、お祝い。これなら、上忍になっても大丈夫」
「……あけてもいいか?」
イタチの言葉に、こくん、と一回だけ首を縦に振る。
強度や出来については父さんのお墨付き。この状態にするまで何十本という失敗を積み重ねた。生半可なものをあげるよりマシなんだけどね。
ゆっくりとだけど確実に腕はあげている気がする。
ある意味今回のは自信作で、イタチが風呂敷を開きのをジィッと見ていたらサスケに笑われた。すごく必死そうな表情をしていたのかもしれない。
自信作だからね。
それに残念そうな表情を浮かべられたらホントへこんじゃうからね。
まぁ、父さん程上手くないから、それも覚悟しとかなきゃならないんだけどさ。そんな私の覚悟を知ってか知らずか、イタチの手は妙にゆっくりと焦らす様に動く。
ドキドキと心臓が飛び跳ねているんだけど、それを表に出すわけにいかない。気を使わせたくないし。今更だけど。
「……ふむ」
あけた直後のイタチの一言。
「………」
イタチの表情を下から伺ってみるけど……。
まったく読めない。表情筋が私並みに動いてなくて、無表情。けれど視線はしっかりと小刀に注がれてはいるんだけど、喜んでいるのか残念がっているのかまったくわからない。
あぁ、無表情ってこんな時に周りが困るんだね。
気をつけようにも、私の表情筋も豊かではないから気をつけようが無いんだけど。
「チャクラ刀になってる」
「そうか」
「お守り代わりでも」
「そうか」
………。
どうしよう。泣いてしまいそうだ。
「イタチさん。気をつけて」
「あぁ」
いい年した大人が内心半泣きという情けない状態に陥りながら、なんとか見守っているサスケとイタチに軽く頭を下げる。
それじゃあまたねー、という挨拶代わ
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