本当に怖いこと
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も怖い……でも!」
清香は、告げた。背後にいるコヒメを一瞬だけ見やり、蓮華不動輝広を握る力を強める。
「友達を失うことの方が、もっと怖い!」
「ふん……!」
トレギアは、その目を赤く光らせる。
目から発射された破壊光線が清香を狙うが、清香はそれを跳びながら回避。
「怖い戦いは……ここで終わり!」
清香が持つ、最大速度。
回転しながらトレギアを斬りつける。
「ちいっ!」
トレギアは舌打ちをしながら、指輪を取り出す。
現れた怪物。
だが、それが実際の姿を見せ、荒々しい咆哮を上げるよりも先に、清香の斬撃により切り刻まれていく。
「天網恢恢の剣!」
産声とともに断末魔。
横回転が、現れたばかりの名も知らぬ怪物を破壊した。
「やあああっ!」
さらに続く、縦回転。それはそのまま、トレギアの体を引き裂いていく。
「ぐあっ!」
トレギアの悲鳴。
だが、清香は攻撃の手を緩めない。
「これで……トドメッ!」
清香の一閃。
緑を纏った刃は、トレギアの仮面を縦に引き裂いた。
吹き飛ばし、それによってコヒメがトレギアの手を離れた。
それはつまり、コヒメを取り戻せたことに他ならない。
清香がコヒメを抱き寄せ、トレギアに背を見せたと同時に、全身から火花を散らしたトレギアは、そのまま爆発していった。
「やった……」
トレギアを倒したことで、清香は息を吐く。
「きよか!」
「コヒメちゃん!」
脅威がいなくなったことで、コヒメが安心した表情を見せる。
「大丈夫? きよか」
「うん。平気だよ。……うっ」
頷いた清香だったが、全身の痛みが清香の動きを鈍らせる。
だが、自身の肩に触れるコヒメの感触から、彼女の無事を実感できた。
「それより、今の人……危ない人だったね」
清香はそう言いながら、トレギアの爆発後を見つめる。
赤い炎の揺らめきを見つめながら、清香は大きく息を吐いた。
「でも、もう、大丈夫……」
パチ。パチ。パチ。
爆炎の中から聞こえてきた拍手。
それに、清香の表情は凍り付いた。
「え」
その音に、清香は振り向く。
爆炎の中から、静かにその姿を現した蒼い仮面。
「よく頑張った頑張った」
「そ、そんな……!」
ほとんど無傷に近い彼の姿に、清香は言葉を失う。
「いやあ、最後の一撃は痛かったよ。私もあの威力はできるだけ受けたくないレベルだからね」
「そ……そんな……っ!」
「でも残念。それ程度なら、私の敵ではない」
「……!」
トレギアはすでに、両手を顔の近くに掲げている。闇が溢れる中。五つの赤い目が、発射
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