課外授業に行こう・4
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色々と面倒なんだよ。馬鹿で無力なフリでもしとかなきゃ、危険分子として始末されるしな」
さらりと、不吉な言葉を口にする。
けれど、この世界でそれは否定出来ない。実際、目撃した事もあるし、針も刺した。その時自分のとった行動に迷いがなかった事は未だに不思議だけど、ナルトがこんなに強いと分かればあの里は危ないと思う。
我愛羅の視線はナルトから私へと移った瞬間、苦々しい表情を浮かべた。
そんなに変な顔をしていたかな。あからさまに顔を顰められると結構気になったりするんだけど。
「何処の里も同じだな。それで、お前は偽って何をしたい?」
子供らしさの欠片もない…。
子供である事を止めた我愛羅の言葉に、ナルトは肩を竦める。
「まだ、力の溜め途中…か。強いけど、里全部を敵に回して生き残れるような強さは得てないしな。
お前はどうしたいんだ? 刺客は多いだろうけど、全部殺しまくって危険分子されて干渉されまくる。まぁ、今更無能なフリは出来ないだろうけど」
「……」
我愛羅が口を噤む。
ナルトを映す瞳が、この時初めて揺れた気がした。
「殺す。俺以外の人間を殺す事で、俺は生きている。それが俺の存在意義だ」
揺れたまま、我愛羅は常に自分自身で思っているであろう言葉を口にする。それに、ナルトは考えるように顎に手を持っていき、ほんの少しだけ首を傾ける。考えているのか、場に再び沈黙が降り立つ。
こういう時、心底思う。
原作を知っていても。
これから行く先を知っていても。
何て言えばいいのかがわからない。
我愛羅の言いたい事はわからないわけじゃないけど、それに対して何て言っていいのか。言う言葉が見つからず、結局私は口を閉ざしたまま状況を見守る。
けど、その沈黙をあっさりと破ったのはナルトだった。
「ま、わからなくもない。あんな里の奴等なんぞ死んでしまえと思うしな」
「「……」」
我愛羅と私の沈黙が重なる。ナルトの言葉に、既に自分と同じものだと理解している我愛羅は言葉を返す事無く、静かに続きを待っているように見えた。
「ついでに守鶴も性格が悪いしな――…でも、それは今までの話だ。なぁ、守鶴サン?」
分かりやすく守鶴の身体が震えた。激震が体中を突き抜けたと言わんばかりにぶるりと身体を震わせ、恐る恐るナルトを見上げる。その瞳は恐怖で揺れているけど、我愛羅の睡眠確保と思えばやっぱり放置かな。
「睡眠は基本だろ? テメェの睡眠妨害は結構くるんだよ。俺の言いたい事――…分かってくれるよなぁ?」
笑顔のナルトが、ジリジリと守鶴ににじり寄る。笑顔なのに怖い。笑顔なのに迫力がある。そんなナルトの視線を一身に浴びている守鶴は、収まりかけていた涙を瞳に溜めながら、降参
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