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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
仲間意識
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かべた少女。
「ダメだよ明里!!あんな半端なスイングしちゃ!!莉愛ちゃんみたいに振りきらなきゃ!!」
「うるさいなぁ……優愛と違って私は色々考えてるんだよ」
帰ってきて早々に同級生からの言葉にムッとして返す明里。このやり取りで一年生たちはハラハラしていたが、彼女たちをよく知る者たちはいつも通りのやり取りに笑っている。
「これで明里2三振だからなぁ。今日全部三振かな?」
「それはない。次は打つ。絶対打つ!!」
選手としてのタイプは全く違うのにまるでライバルのようなやり取りをする二人。初めて見た一年生たちからは喧嘩のように見えたが上級生からすればこれは彼女たちなりのコミュニケーションだということがよくわかっている。
特に気持ちが落ちているようだった明里に気合いが入り直したことで、チームとしても士気が上がるのを感じていた。
キンッ
その間に打席に入っていた伊織は快音を響かせるが、打球はセカンドの正面へのライナー。紗枝がこれをガッチリキャッチしチェンジになる。
「若菜ちゃん、ごめんだけど交代ね」
「はい。わかりました」
高校生になってから初めての試合だった若菜に声をかけ、ブルペンで肩を作っていた楓を呼び寄せる栞里。彼女は次のピッチャーである楓にボールを渡すと、ベンチに残っている面々の方に向き直る。
「この回終わったら後半戦だからね。奈央以外は次で全員出るから準備しておいてね!!」
「「「「はい!!」」」」
まだ試合に出ていない選手たちにしっかりと気持ちを作らせたところで守備へと向かう栞里。そして彼女の代わりにマウンドに向かおうとする楓を莉愛が呼び止める。
「楓さん!!サインは……」
「あ!!そうだったね!!」
莉愛が出塁していたこともあり事前にサインを決めておくことができなかったため、防具を着けながら球種とサインを確認する二人。対してピンチを脱した少女たちはというと……
「全く……お前のせいで危なかったぞ」
「仕方ないだろ。まさか内野の頭を越えるとは思わなかったんだ」
最後のイニングは三人で絞めていきたかった陽香は不満げな表情を、莉子は責められることがわかっていたからか不貞腐れた表情を浮かべていた。
「それで?次から守るか?」
「いや、この打席だけ立ったらあとは任せるよ」
次の打者は陽香から。そして彼女は次の回からマウンドを譲るため、それに合わせてベンチへと下がる判断らしい。
「葉月と曜子は最後まで出れるだろ?」
「大丈夫で〜す」
「もちろん!!」
明宝学園の女子野球部の部員数は全部で31人。紅白戦はそれを半分に分けているため、半分のイニングで下がる選手とフルで出る選手とが現れる。
「それだと瑞姫がそのまま三番でいいのか?」
「あぁ
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