黒薔薇 咲夜
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から探してみるとかか?」
「上空?」
私は黒薔薇くんの言葉に上を見上げる。
そこには大きな観覧車。
確かに上空から探してみるのはありかも知れない。
「そう…だね、行こう」
私たちはそうして観覧車へと向かった。
「足元にご注意ください〜」
私達は観覧車へと乗り込む。
向かい合うように座る私たち。
観覧車。本来ワクワクするような場所。それはわかっている。
でも、何故か言葉は喉から先へは自分から出ようとしなかった。
「天空橋」
観覧車は時計の11時くらいのところだろうか。
今まで沈黙だった空間で黒薔薇くんが口を開いた。
「雷藤のことか…?」
私は図星を突かれ少し苦笑いを浮かべる。
「うん…そうだよ。もしこのままアジトが見つからなかったら、お兄ちゃんと会えなかったらって思うと…。情けないよね私…。河川敷での円堂くんの言葉嬉しかった。キャラバンでの言葉も嬉しかった…!でも、でも…!!」
私の心は押しつぶされるようなプレッシャーを感じていた。
お兄ちゃんが飛ばされたジェミニとの試合。
私はお兄ちゃんの背中を追いかけているだけだった。
でも、今は違う。
過去のお兄ちゃんと同じ雷門の一員として戦っているのだ。
私の一つのプレーでお兄ちゃんが助からなくなる可能性があるのだ。
「私…こわい…。失敗するのが怖くなってしまってるの…」
私は本音を黒薔薇くんに零す。
そんな私に帰ってきた言葉。
「…俺だって怖いさ」
「…え…っ?」
予想外の言葉だった。
あの黒薔薇くんが…?それが本当の気持ちだった。
初めて黒薔薇くんと出会った試合、ナイトメア戦。
あの自信満々なプレー。敵ながら惹かれるものがあった。
そして仲間になった黒薔薇くん。
出ている試合で確実に試合のキーマンとなり点を決め指示を出す。
そんな黒薔薇くんが…?
観覧車が頂点に登った時、黒薔薇くんが「俺の手を見ろ。」と私に話す。
「ふ、震えてる…?」
黒薔薇くんの手は震えていたのだ。
フィールドでは強者とも言えるオーラを放つ黒薔薇くんが。
「俺、前回の試合怖くて動けなかったんだぜ…?情けないだろう?」
「前回の試合…?」
黒薔薇くんが話した前回の試合。
その言葉が指すのは真・帝国学園戦のことだった。
「…でも!あの試合、相手からボールを取ったり…」
「そうそれだけだ」
確かに言われてみれば、黒薔薇くんの割には前線に上がるのが少なかったような。
「俺さ鬼道の気持ち多少わかるのさ。普段は口に出さないけどな」
「黒薔薇くん…」
「俺たちナイトメアは毎日死ぬ程の試合を行なわされた。俺らの1日は試合で始まり試合で終わるような日
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