課外授業に行こう・2
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だからほっかほかだし、やっぱ美味しい。
暫くの間は食べる音だけが響いていたんだけど、ナルトが何かに気付いたのか少し離れた場所をジッと見つめだした。
何だろう?
それにつられるように、私もナルトが見ているであろう場所を凝視する。
「「……」」
いつの間にかベンチに置かれたホットサンド。
「……あー…アレ、だ」
「……そう、みたいだな」
ナルトの納得したような声に、私も呆れたように頷く。
こんな昼間からよくやるね。
っていうか、こういう扱いが全体的に当たり前だと思われているのかな。
「……ラン?」
私の苛立ちを感じ取ったのか、ナルトの戸惑ったような声が耳に届いたけど、私の意識は既に少し離れた場所の出来事だけに向けられ始めてる。
「……ったく。砂に来れば会うかもな、とは思ってたけどさ。流石にいきなり会うってのはやっぱ引かれあってんのか? そういや、俺とランの出会いもこんな場面からだったよなぁ」
流石にこれだけ付き合いが長くなれば、私の性格も考えている事も分かるのかもしれない。ナルトが呟きながら左腕を伸ばし、私の身体を押し留めようとする。
「アイツの方が強い。どうせ影のつくおっさんの差し金で本人の意志じゃないとかって言うかもしんねーけど、助けるか?」
「いや」
…アレは、もう間に合わない。
人が死ぬという場面をどうしてこんなに冷静に見つめていられるのか。自分でも分からないけど、首を振った直後に子供を囲んでいた忍たちは絶命していた。
砂に押し潰され、あっさりと圧死した砂隠れの忍たち。じわりと砂に広がる赤い色。今は遠くで眺めているだけだからいいけど、近付いたら匂いに吐いてしまいそうだ。
「ランってさぁ……人柱力に害する人間に、容赦ないよな」
ナルトの言葉を何処か遠い所で聞きながら、私はボンヤリとした眼差しを向けた。どうやら、何か色々と麻痺させているみたいで、自分の感覚さえもあやふやになってる。
忍の世界では珍しい事じゃない。
なのに、無意識に指先が震えた。
「……他人事には思えねーし。今回は俺が動くからランは見てろよ」
私の前に突き出していた腕で、私の身体を後ろに押してベンチに座らせる。さっきまで美味しそうに見えていたホットサンドだったけど、今では食べる気にさえなれない。
最後に心配そうな視線を私に向けてから遠ざかるナルト。一体何時の間に、こんな風に心配してくれるようになったんだろう。ちょっと前までは結構素っ気無かったような気がしたんだけどなぁ。
こんな状況なのにそれが嬉しくて、強張っていた表情がほんの少しだけど柔らかくなった気がする。何て現金な性格だろう。
「……あの子供は、見るからに我愛羅だね」
ナルトが負けると
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