始まりから夏休みまで
近野のどかには近づくなって話
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前が一方的に傷つくだけになるかもしれねぇぞ。」と。
だけど、このまま現状を引っ張っていくのもスッキリしない。
だから僕は、謝りに行く。
それに、傷つくのには慣れてるし。
「2-D…ここだね。」
ホームルームを終え、人もまばらになったこの時間。
教室から聞こえるのは数人の女性との話し声。
僕は深呼吸をして、コンコンとノックしてからドアを開けると
「失礼…します。近野のどかさん…いらっしゃいますか?」
森長可から聞いたマスターの名前を言った。
「…。」
話を辞めた数人の女子生徒。
その中の一人が、僕を睨みつけていた。
間違いない…この人が近野のどかさんだ。
「…何?」
冷たい声と冷ややかな視線。
明らかに好意的ではない態度で接してきた彼女。
そうして僕はそんな彼女に…
「その…ごめんなさい。」
「は?」
まず、頭を下げた。
「ある人から聞きました。僕、近野さんに相当恨まれてるって…。」
「…。」
「僕が知らず知らずのうちにあなたに嫌な思いをさせたのなら、謝ります。本当にごめんなさい。」
「…。」
深深と下げた頭に、冷たい視線が突き刺さるのが分かる。
その向こうからは女子生徒達の声。
「謝罪…え、何?」「近野さん何したの?」「てかあいつ葛城じゃね?ほら、虐められてたやつ。」
と様々な声が聞こえる。
そして少しの沈黙の後
「…うざ。」
「え?」
「うざいって言ったの。」
そう、冷たく突き放された。
「近野さん!!」
「そういうのやめてくんない?謝ればいいと思ってるその見え透いた誠意がムカつく。」
「お願い!待ってよ!!」
近野さんは机に置かれた自分のカバンを持ち、その場から立ち去ろうとする。
そこで僕は行く手を塞いでなんとかして話を聞いてもらおうとするも、
「邪魔。」
「ぐっ…!」
蹴り飛ばされてしまった。
「どうして…?」
「私から大切なもの奪っといて、よくそうやってしてられるよな。謝る?なんならせめて死ねよ。死んで詫びろよクソ男。」
「おい近野!いくらなんでも言い過ぎじゃないか!!」
友作くんがそう言うも、近野さんは止まらない。
「大切なもの…?僕が近野さんの何を」
「自分は何も知りませーんみたいなとぼけた返してんじゃねぇ!!!」
次に来たのは、顔面への強烈な蹴り。
「そうやって!毎日!ヘラヘラヘラヘラヘラしながら!!先輩に媚び売ってんだろ!?なぁおい!!死ねよ!!死ね!!先輩の笑顔を!私だけの宝物を!!返せ!!!死んでから!私に返せ!!!」
「やめろ近野!!!」
蹴る。蹴る。蹴る。
何度も執拗に僕は顔面を蹴られた。
そうして耐えているうちに教
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