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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(10)〜セレンゲティ氷原大機動戦(下)〜
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だからこういう略奪で欲しいのってマルクに換える商品なんですよねぇ。人事担当将校や部隊指揮官、閣下の代わりの土地権利を牛耳ってる荘園裁判所の判事らへの付け届けも必要ですしぃ」

「私が人事局に賄賂撒いた感じかぁ」

「そもそもショッパイ旧式駆逐艦の駆逐隊ですけど我が領で貴重な宇宙軍の要員に採用された時点である程度、最低限の教養がありますからねぇ‥‥オーディンで部屋を買って又貸しとかすればまぁほら、子供も市民階級に上がれますから‥‥上に上がれば下級役人くらいは世襲で狙えますし」

「あー‥‥‥専科学校上がりの将校とかがウチの家臣団にたまに入ってくるのってそういうアレかぁ」
 うんうん、と頷いた後に首をかしげて男爵は尋ねる。
「つまり、みんな賄賂の為に現金が必要だから略奪をしなくちゃいけなくて‥‥賄賂が欲しい連中はそれを見逃しちゃうから‥‥軍紀が崩壊してるって‥‥コト!?」

「はい」

「増援は‥‥」「後2時間はかかりますねぇ」
「詰んだ?」「詰みましたねぇ」
 オッツル男爵は肩を落とす。
「‥‥そっかー」
 高出力レーザーが彼らの横を通り過ぎた。
「いやでもこうはならんやろ」
「なっとるんですなぁ」
「‥‥そっかー」
 スパルタニアンが急降下するのを見て、オッツルは溜息を吐いた。
 ――畜生、戦争ってやつはいつも採算が合わないものだ。



「ディーオッチン領駆逐戦隊陸戦隊、壊滅!!男爵閣下、壮烈な戦死を遂げました!!」

「あっ、そう」
 ラインハルトの君主の如き泰然とした返事をキルヒアイスは受け流す。別に無気力とか知ってたとかそういうあれではない。ないったらない。

 
「おおよそ3,000から4,000か?こちらの3割にも満たぬ」
 フランダン伯も顎を撫でる。彼は部隊の急行を提案したいいだしっぺもあり部隊を引き連れて同行していた。
「であれば強襲をかけてディーオッチン領の残存部隊の救援を急ぎましょう、このままでは敵は集積所を奪還し防衛態勢を整えてしまいます――」

「いえ、叛徒は莫迦ではないでしょう。伏兵がいるとみるべきです」

「あぁ、伯の言う通りだと考える。まずは威力偵察を仕掛け、敵の伏兵を引き出すとしよう。予備隊をいつでも動かせるようにしつつ仕掛けるぞ。
フランダン伯の旅団は最後まで取っておきたい、こちらの指示があるまでは防戦以外は控えるのだ」

「……了解した」
 フランダンの返答はわずかに遅れていた。だがラインハルトはそれに斟酌することはなく、眼前の敵を打ち倒す方策について目を輝かせて思考に没頭していた。




 戦車と装甲車両の連隊戦闘団を率いるのはグラスゴー大佐である。
「見よ、あの基地を埋め尽くしているのは敵だ。
聞け、この
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