暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第二百二十九話 姿を隠しその一

[8]前話 [2]次話
                第二百二十九話  姿を隠し
 英雄は会津に留まり戦の采配は仲間達に任せ自身はその地で全体の采配及び補給や輸送を行っていた。そのうえで。
 今は蔵から運び出された兵糧が車に乗せられ運ばれていくのを見守った、無数の俵に入れられた米が送られていくが。
 その何千何万とある俵を見て彼は言った。
「これだけ送ってもな」
「はい、まだです」
「まだ戦は続いています」
「これで終わりではありませぬ」
「また多くの米を送ります」
「明日にな、これは仙台に送るが」
 それでというのだ。
「明日はな」
「山形です」
「あちらに送ります」
「この五倍の米を」
「その様にします」
「それだけの米を送る」
 まさにというのだ。
「日々な、そして米だけでなくな」
「武具もです」
「こちらも送ります」
「既に買っておりますので」
「後はここに着いたものを送ります」
「この会津に着いたものを」
「先程は武具を送ったしな」 
 そうしてというのだ。
「今は米だ」
「最早ひっきりなしです」
「ここに着いたものは軍勢に送られています」
「朝から夕暮れまで」
「そうなっておりまする」
「全て仕切っているな、だがそれは俺だけでなくだ」
 英雄一人でしておらずというのだ。
「お前達もいる、奉行や官吏もいてこそな」
「そうしてですな」
「ものは動きますな」
「そして銭も」
「左様でありますな」
「戦もまた政でだ」
 それでというのだ。
「仕組みが大事だ」
「若しそれがなければ」
「整っていなければ」
「さもなければですな」
「こうしたことは出来る筈がない」
 補給や輸送はというのだ。
「的確にはな」
「そうですね」
「こうしたことはです」
「やはり仕組みです」
「それが出来てこそです」
「そうして出来ます」
 周りの者達も語った。
「まさに」
「幕府が出来てから整えていきました」
「そして今に至ります」
「それを整えてきたので」
「それで、ですね」
「こうした時もですね」
「動かすことが出来る」
 それが可能だというのだ。
「この通りな、そしてその仕組みを動かすことだ」
「的確に」
「そうすればですね」
「それで、ですね」
「軍全体にまんべんなく兵糧と武具を送れますね」
「他のものも」
「そうだ、人や馬が傷付けば」
 英雄はこの場合も話した、戦をせずとも事故で傷付くしそれに病もついて回るものである。それもまた戦だ。
「手当てをしてだ
「薬も必要ですね」
「戦には」
「病もありますし」
 奉行の一人がその病の話をした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ