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花好きの男
第三章
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「考えておくものよ」
「それでなのね」
「そう、考えなさい」
 こう娘に言うのだった、そのうえでだった。
 詠人にしっかりと店の経営のことも話した、だが彼はそちらはあまり関心を示さなかった。しかし。
 秋桜は金のことはしっかりしていてだった。
 成長するにつれ考える様になった、そしてだった。
 高校でも大学でもそのことを学んだ、すると。
 華道で免許皆伝になりフラワーコーディネイターの資格も得て店の仕事を手伝う様になった兄に言った。
「ねえお兄ちゃんのお花ネットで紹介していい?」
「僕がコーディネイトした?」
「ええ、華道の方もね」
 こちらもというのだ。
「そうしたらお店の売り上げにもつながるから」
「それでなんだ」
「どうかしら」
 こう兄に言うのだった。
「そうしたら」
「僕は経営のことはどうもね」
「あまりわからないでしょ」
「向き不向きかな、これ」
「私はお花をそうして飾るの苦手だし」
 結局このことは身に着かなかった。
「だからね」
「僕がそうして」
「それでね」 
 そのうえでというのだ。
「私高校商業科で大学もね」
「経済学部だったね」
「お店をやってくことについては」
「出来るから」
「それでいく?ただここでお店やって」
 それと共にというのだ。
「そっちもね」
「やっていくんだ」
「それでどうかしら」
「そこは任せるよ」 
 兄は妹に答えた、そうしてだった。
 秋桜は詠人が飾った花を店のサイトで紹介しツイッターやフェイスブック、ラインで宣伝した。すると。
 そうしたものが売れてかつ詠人のセンスと花への造詣が知られて造れば造る程売れて店の売り上げもだった。
 上がり店は大きくなり企業ともなり。
「いや、今や業界で知らぬ者はないまでに」
「よくなったわね」
 妹は兄に応えた。
「やっぱり好きこそね」
「ものの上手なれだね」
「そうね、私はお金が好きっていうか」
「しっかりしているから」
「そっちでやっていけて」
「僕のお花を売ってくれるから」
「こうなったわね、八条グループとも取引してるし」
 世界屈指の企業グループとして知られるこのグループともというのだ。
「いい感じよ、じゃあこれからも」
「お花を飾って」
「それでそれをしっかりと宣伝して売って」
「やっていこうね」
「そうしていきましょう」
「そう、お花が好きならお花で生きて」
 もう引退しているがまだ矍鑠たる母が言ってきた。
「経営が出来るなら」
「経営で生きる」
「そうしていくことね」
「そうよ、それぞれの得意なことを活かして」
 そうしてというのだ。
「やっていくことよ、じゃあね」
「これからもね」
「会社やってくわ」
「そうしていきなさい」
 こ
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