第二章
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「そうよね」
「そう、そのお店のそーきそばとか足てびちとかタコライス美味しいから」
それでというのだ。
「来てね。何なら空港か港でお迎えするわよ」
「そこまでしてくれるの」
「駄目?」
「いえ、知ってる人が案内してくれるなら」
それならとだ、祈里は由利香に応えた。
「私も有り難いから」
「そうよね、じゃあね」
「ええ、職場の同僚と一緒に行くから」
「宜しくね」
「こちらこそね」
何年も会っていないが仲は高校の頃と変わっていないとだ、祈里は心の中で微笑んで思いつつだった。
同僚と共に沖縄に行く用意をしてそのうえで由利香にも連絡をして飛行機で沖縄に発った、そうして沖縄に着くと。
すぐに由利香に出迎えてもらった、数年振りに会った彼女は。
顔やスタイル、髪型は変わっていなかった。しかし赤地に黄色いハイビスカス模様のシャツに白い膝までの半ズボンにサンダルと南国らしい恰好だった。しかも肌は褐色になっていて祈里は少し目を瞠って彼女に言った。
「沖縄らしくなった?」
「そうでしょ、もう何年も住んでるからね」
由利香はその日焼けした顔で笑って応えた、そうして祈里の友人で黒髪をボーイッシュに短くしていてきりっとした顔立ちの一六四程の背のすらりとしたスタイルの三瀬睦実を見て言った。
「それでこちらの人が」
「私の職場の同僚で一緒に旅行に来たね」
「三瀬睦実よ」
睦美は自分から微笑んで名乗った。
「宜しくね」
「こっちこそね、じゃあまずは何処行くの?」
「由利香が言っていたお店紹介してくれる?丁度お昼だし」
祈里は由利香に微笑んで申し出た。
「そうしてくれる?」
「それじゃあね」
由利香は祈里の言葉に笑顔で応えてだった。
彼女と睦実をビーチにあるその沖縄料理店に案内した、すると。
如何にも南国といった感じの木造のいささか古い感じがする店のカウンターにいる四十位の太って髪の毛がやや薄くなっている大柄で細い目の男性が由利香を見て笑顔で言ってきた。
「お客さんか」
「そう、前に行ってた高校の頃の友達よ」
由利香はその男性に笑顔で応えた。
「祈里っていうの」
「はじめまして」
「同僚の睦実です」
睦実も名乗った。
「宜しくお願いします」
「今日はご馳走になります」
「ああ、母ちゃんが連れて来たお客さんだ」
男性は二人の挨拶に明るく鷹揚な声で応えた。
「美味しいものふんだんに味わってもらうな」
「楽しみにしてます、けれど」
男性に笑顔で挨拶をしてからだった。
祈里は由利香に顔を向けて彼女に怪訝な顔で尋ねた。
「あの、今ね」
「母ちゃんって言ったっていうのね」
「由利香まさか」
「そう、私の旦那さんなの。大学に入学してすぐにここでアルバイトはじめてね」
由
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