第二百二十八話 建て直しその十
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「そしてだ」
「全軍の采配特に補給とたい」
「城の再建を行う」
「宜しく頼むとよ」
「それではな」
英雄はここでも確かな声であった、その声と顔で頷きこの時から全軍の補給を監督していった。そのうえで。
軍をそれぞれ出陣させた、その彼等を見送ってからだ。
多くの幕臣を連れて会津若松城に入った、そして再建中の城を見て言った。
「どうもな」
「はい、まだですね」
「まだまだですね」
「街の再建はなりです」
「民は戻ってまた暮らしはじめていますが」
「城の壁も櫓もです」
「まだ殆ど再建されていません」
幕臣達は城を見回しつつ英雄に話した。
「木材はありますが」
「そして人手もです」
「それに道具もありますが」
「まだまだですね」
「街の再建を第一にした」
まさに最優先させた。
「それをな」
「その結果ですね」
「街はもう再建されました」
「そうしてです」
「民も戻っていますが」
「それはいい、だがな」
それでもというのだ。
「壁や櫓、門にな」
「天守ですね」
「それに兵達が住む舎にです」
「蔵だもです」
「戦の為のものは手つかずです」
「その状況です」
「そうだな、まずは外堀の方からはじめる」
英雄は幕臣達に沈着な声で述べた。
「そうする」
「そこの城壁や櫓ですね」
「そして門ですか」
「そこをですか」
「それと共に兵が入る舎に蔵だ」
そこもというのだ。
「守りとな」
「それと共にですか」
「舎や蔵ですか」
「兵やものを入れますか」
「そちらを再建しますか」
「そうする、だが優先させるのは舎や蔵だ」
そちらだというのだ。
「やはり人やものを入れられないとな」
「城は動きません」
「だからですね」
「城壁や櫓もですが」
「どちらを優先させるかとなると」
「そちらだ」
舎や蔵だというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「守りも大事だが人やものもな」
そちらもというのだ。
「大事だ、だがどちらを選ぶか」
「それはですね」
「難しいですね」
「守りか人やものか」
「どちらかになりますと」
「最も大事なのは民だ」
英雄はこのことは言い切った。
「やはりな」
「左様ですね」
「だからまずは家を建て直しました」
「城の中のそれを」
「そして民が暮らせる様にしました」
「民なくして国はない」
英雄はまた言い切った。
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