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真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
幕間:詩花、図らずの初陣に臨む事
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ぁっ!!!」
(!一人じゃない!?)
「詩花!!もう一人居るぞ!!」

 声を掛けられた詩花は一瞬呆気にとられる。其の隙を突くように、別の家屋の中、崩落した黒焦げの木材の中から長身の男が飛び出してきた。擦り切った刃を掲げて、憔悴と狂気に歪んだ咆哮を漏らして猛進する。 

「ああ\'\'あああ\'\'あああ\'\'」
「ひっっ!!」

 竦みながら構えた戟に凶刃が打ち当たる。男が勢いの余り壁に身を打った。詩花は急ぎ立ち上がり、戟を握り締めて後ずさる。男は咥内の出血を気にせず、我武者羅に詩花に斬りかかる。リーチの差を生かせば如何とも出来る筈なのだが、始めの一声と男の尋常ならざる雰囲気に圧され、詩花は恐慌に近き状態で戟を柄半ばに持ち、それを振るって攻撃を防いでいた。
 対して仁ノ助。眼前に迫る敵の攻勢を次第に上手く捌けるようになってきており、今この瞬間にも取って返した刃で相手の肩先を傷つけた。男が尻餅をつき、一瞬の余裕が生まれる。その折、視界の端で詩花が賊の攻撃に曝されて苦戦しているのが見えた。

「詩花っ!」
「こっち見ろよぉ、肉野朗ぉ!」

 素早く視線を戻した瞬間、彼の視界が砂に覆われ、瞳に痛みを覚えながら視界が奪われる。砂を投げつけられたのだ。 

(っっっっ、糞っ、目が!!)

 両目を押さえて苦悶していると酷く聞き慣れた風切り音が耳に入ってくる。直感のままに剣を振るえば、ガキンと、鉄が打ち合う音が響き合った。一転して不利な情勢に陥った仁ノ助は、視力の早期回復を祈りつつ、耳と勘に全てを任せて剣戟を交えていく。
 一方で詩花。恐慌に近き状態で攻撃を防いでいるが、次第に一歩一歩と、家の残骸に押し込まれている。後僅かに歩を後退させれば逃げ場を失う情勢であった。男の乱暴な上段斬りを戟の刃で防ぐと、がら空きとなった腹を全力で蹴り抜かれる。詩花は呻き声と共に押し倒され、その背を木柱に押しやられる。男はそれに迫り、まるで丸太を割るかのような勢いで刃を振り下ろす。構えられた戟の柄に当たって阻まれるも、男は気にせず二撃、三撃と刃を下ろす。詩花の手に痛烈な衝撃が幾度も響いていった。   

「っはぁっ、っはぁっ、じね\\\'\\\'っ、じねぇ\\\'\\\'!!」
「くっ、来るなぁぁっ!!」

 咄嗟に返された戟の切っ先が、再び迫りかからんとしていた男の頚部に真っ直ぐと突き刺さる。   

「っぉぉっ...」
「...は?」

 男は剣を落として、両手で戟の切っ先の近くを掴み、頚部から血を流水のように零しながら膝を突いた。仁ノ助と交戦していた男がそれを見て叫ぶ。 

「っっっ、李兄ぃ!!」

 威勢が損なわれた悲痛な叫び。仁ノ助はその叫びを頼りに、吶喊して剣を振るった。曇ったままの視界の片隅で、赤い何かが弾
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