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レーヴァティン
第二百二十八話 建て直しその五

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「仙台に二十五万の兵を向けてだ」
「そしてですね」
「十五万の兵をだ」
「秋田に向けますね」
「そして攻め上がり」
 そのうえでというのだ。
「仙台から盛岡、下北へと進み」
「山形、秋田からですね」
「津軽だ」 
 そこにというのだ。
「兵をな」
「進めていきますね」
「その様にする、そして間の山脈はな」
 奥羽山脈はというと。
「その中でいい」
「北上する中で」
「それでいい、人もいるが」
「然程多くはないですね」
「山の麓にある村を手に入れていき」
 そうしてというのだ。
「山の民達に声をかけ」
「加えていきますね」
「従わないなら兵を送るが」
 それでもというのだ。
「普通の兵ではない」
「忍か山伏でありますな」
 峰夫が言ってきた。
「そうでありますな」
「山では山の戦があるな」
「その通りであります」
「だからだ」
 それ故にとだ、英雄は峰夫に答えた。
「そちらにはな」
「山の民を送るでありますな」
「飛騨ではそうせずに済んだが」
 山国で知られる国だがこの国の国人やそれぞれの勢力は戦わずしてそのうえで幕府に降ったのである。
「しかしな」
「奥羽の山で従わない者が出たならば」
「その様にする」
 まさにというのだ。
「そしてな」
「あの山も手に入れるであります」
「そうする、そして奥羽一番の敵は」
「平泉でありますな」
「あそこを治める家だ」
「黄金の力と多くの兵を持っているであります」
「あの家は幕府に従うつもりはない」
 一切というのだ。
「あくまで戦うつもりだ」
「会津よりもでありますな」
「あの家が厄介だ」
「まさに奥羽における幕府最大の敵であります」
「兵も多い」
 それもというのだ。
「五万というが」
「実はそれ程多くなくとも」
「奥羽最大の勢力だ」
 このことは事実だというのだ。
「だからな」
「戦になればであります」
「厄介な敵になる」
 間違いなくというのだ。
「だからな」
「それで、ありますな」
「あの家とどう戦うか」
 このことがというのだ。
「奥羽での最大の課題だ」
「そうでありますな」
「ただ俺は源頼朝ではない」
 英雄はここでこのことを断った。
「むしろ平清盛の方がいい」
「頼朝さんは敵は皆殺したっちゃ」
 愛実はここでこのことを指摘した。
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