『蒼い雫』VS『砂漠の鷹』
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お世辞でも何でもない真っ直ぐな言葉を一夏さんがかけてくる。こういう所に箒さんは惹かれたのでしょうか? まあそれは今考えるようなことではありませんね。
「では、行きます」
「ああ、頑張ってな!」
「勝ったら一夏さんと戦うんですけど?」
「あ、そうか……うん、でも俺はカルラに勝って欲しいな!」
「そ、そうですか……」
ですからなんでこう……もういいです。ほら、また箒さんが機嫌悪そうになりますし………
「……行きます!」
カタパルトに両足を固定し力を入れた瞬間、カタパルトが押し出されてアリーナに飛び出し、軽く機体を回転させながらアリーナの中央部分の中空に停止します。
そのすぐ後にオルコットさんが反対側のピットから発進し私の少し上の位置で停止しました。
鮮やかな青い機体。『ブルー・ティアーズ』ですね。その背後には特徴的な4つのフィンアーマーを備えています。
「あら、ISにそのような大きな盾なんて、不恰好ではありませんこと? オーストラリアの技術者を疑いますわね」
オルコットさんの見下すような声が開放通信で聞こえてくる。
会った瞬間に挑発ですか。いえ、でも相手の冷静な判断力を失わせると言う点で戦いの前の挑発は有効です。
……オルコットさんの場合は素の可能性が高いでしょうけど。
「放っておいてください」
「まあいいですわ。どうせあの男性では勝負になりませんもの」
「そうなるかどうかはわかりませんけどね」
「あら、随分買っていますのね。まあ、格は違うとはいえ貴方も代表候補生ですもの。これが実質クラス代表決定戦。少しは粘ってくださいませ!」
「そちらこそ!」
オルコットさんが手に持っているのは2mを超える長大なライフル。
―データ検索、67口径特殊レーザーライフル『スターライトmkV』と該当―
ISのハイパーセンサーが瞬時にデータを見つけて教えてくれます。
レーザーライフル、ですか。実用化はされている中ではかなり大きな口径のものですね。
そう考えて右腰のスカートにマウントされている18mmアサルトライフル『ハディント』を取り外して構える。銃の状態は良し、マガジンも装填済みで安全装置も解除してあり、いつでも撃てる状態です。
『それでは、始めてください』
開始の合図とほぼ同時に私とオルコットさんが射撃体勢に移行した。
『行きますわよ!』
瞬間オルコットさんが私より一瞬早くレーザーライフルのトリガーを引くのが確認できた。
―警告、敵IS射撃体勢に移行を確認。初弾エネルギー装填―
ISの警告が出る前に回避行動を行い、今までいた場所をレーザーが通り過ぎる。相当な早撃ちの上に精度も高いですね。
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