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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結
第九章
9-?
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しちゃぁだめよ」と、背中をポンとされたのだ。

 そして、家に戻る途中、お父さんの様子見て来るといって美鈴のところに寄った。

「飲んでいた 元気だよ 蒼のお母さんに、くれぐれも礼を言っておいてくれって 自分の娘がこんなにきれいだと思って居なかったんだって 酔いも醒めたってさ」

 家に戻るとお母さんが駆け寄って出迎えてくれた。美鈴だけを連れて行ったのだ。「大丈夫だった? おせち喜んでくれた? 寒く無かった? お腹すいていない?」とか矢継ぎばやに聞いていた。

「昨日ね 重兵衛さんの、磯巻きと穴子のお寿司買って来たのよ さっき 出すの忘れていたわ 食べて」と、並べてきた。

「あっ すみません 私 子供の頃 食べたことある おいしいんですよね」と、美鈴が珍しく、自分から手を出していた。

「お母さん おいしいー 昔のまんま」と、美鈴が思わず言ったみたいだったが

「美鈴ちゃんから お母さんと呼ばれると本当にうれしいのよね」と、お母さんは少し涙ぐんでいた。

「お母さん 大袈裟だよ 気持ちわかるが まぁ ゆっくりしてください 美鈴さん 我が家も華やかで楽しいんだよ なぁ 蒼 飲めばぁー 美鈴さんも飲めるんだろう」と、お父さんも機嫌が良かった。

 みんなで、飲み食いしていると、お母さんが

「美鈴ちゃん 苦しいでしょ 慣れないからね もう、着替える?」と、気を使って、美鈴は着替えに行った。着替えて、出てきたら

「やっぱり きれいだね 昔、何て言ったかなぁー 世界の美しい顔の人に選ばれた娘 あの子に似ているな」と、お父さんが言い出すと

「あなた 酔っぱらってるの― あんなどんぐり眼じゃぁないわよ 美鈴ちやんのほうが美人よ」

「えー 私 そんなんじゃぁ無いですよー」

「今夜はゆっくりしていけるんでしょ」と、お母さんが聞くと

「うーん でも、お父さんが飲み過ぎてないかな 心配ですし、あしたも、伏見稲荷 お父さんといこうと思って」

「あら 明日は、蒼と一緒じゃぁないの?」

「違うよ 僕は 会社の連中と飲み会だよ」と、僕は焦った。

「そうなの 泊りだっていうから、美鈴ちゃんとかと思ったわ みんなに紹介すればいいのに なーんだ」

「そんなわけないじゃぁないか」

 美鈴を送って行くとき

「うそついちゃったね」

「うん たまには、良いじゃぁ無いか」

「そうか 明日 楽しみにしているよ」と言う美鈴を見て、僕は、美鈴のことを本当に可愛く思えていた。




 

  




 
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