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最期の祈り(Fate/Zero)
決闘(お前が言うな!!)
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呼ばれただけの事はあった。
教室全体が戦慄している時、その空気を破るかのように一夏に声をかける人物がいた。
「まだ、あんなものも理解されていなかったのですか?」
「……お前は、セシリアか」
頭が痛いとでも言いたげに顔をしかめる一夏。無理もなかろう。昨日のファーストアプローチが、アレなのだから。
「よろしければ代表候補生だあるこの私が、教えて差し上げてもよくてよ」
「……一夏の知り合いかい?」
多少、当惑したというふうに一夏に答えを求める。
「……残念ながら」
しぶしぶといった感じで肯定する一夏。
(とりあえず、切嗣にも紹介するか)
恐らく、自分の事は知っていて当然と、自ら自己紹介をするつもりは無いだろうと見越して話を進めようとする。
「あー、紹介するよ。こいつはセシリア……」





「結構です」





突如、温もりの無い声が一夏を制した。
「せ、セシリア……?」
「この方に教えて差し上げる名などありません」
絶対零度の冷たさをもって拒絶する。
そのあまりの変わりぶりに一夏は狼狽する。確かに彼女は一夏に対して、かなり無礼な行為をとった。だが、そこにはまだ相手を受け入れるだけの余裕はあった。会話をするということは相手を知る、即ち相手を受け入れる事に繋がる。しかし切嗣に対しては、それが一切無い。言い換えれば、切嗣を完全否定していた。
「どういう事だよ……?何で……」
「この方の第一印象が最悪だからですわ」
「おい、幾らなんでも言い過ぎだぞ!」
憮然と答えるセシリアに、一夏より先に箒がくってかかる。が、
「貴女には関係の無いことです。口を出さないで下さい」
彼女は関係の無いという一言で黙らせた。
「っ!お前……」
「あー、ちょっと良いかい」
我慢なら無いといった風に何か言おうとする箒を止めたのは他ならぬ切嗣だった。
「三人とも、前、前」
最初、切嗣が何を言っているか解らなかった3人だが、言われた通り前を向くと、漸く事態の深刻さに気付いた。
そこには、チャイムが鳴って3分経過したと言うのに未だ席につかない生徒を、優しく見守る織斑先生がいらっしゃった。
「織斑に篠ノ之にオルコットか。3人とも良い度胸だな 」



とりあえず、乾いた音が3回鳴り響いたと言っておこう。



「全く、この馬鹿共が。さっさとクラス代表を決めなければならんというのに……」
その言葉にざわめく生徒達。彼女達の視線は自ずと彼等に集中する。その注目の彼等は……
「あぁ、そんなのもったか」
一人は何の気なしに呟き、
「流石にそれくらいは知っていたか」
もう一人は妙に安心した表情を浮かべていた。




「これよりクラス代表の選出を行う。推薦、自薦は問わない。誰か立候補はいるか?
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