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吸血鬼になったエミヤ
049話 学園祭編 シホの精神の迷宮
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してくれるのですから信用にあたいできるかもしれませんね……。
ですが、イリヤスフィール様は『でも……』と言葉を零して、

『私だけじゃ無理なの……』
「どういうことだ?」
『私の扉に近くにもう一つ扉があるでしょう?そこにはシホがこの世界に来て記憶を失う切っ掛けになったもう一人のアインツベルンがいるの』

最後の扉ですか。
確かにありますね。
そのネームプレートにはこう書かれていました。




『■■■■・アインツベルンの部屋』


と。
だけど、名前の部分だけ削れていて読めませんね。
それと、

「もう一人と言うのはどういう意味ですか?」

イリヤスフィール様にそう問いかけると答えてくれました。

『なんてことはないわよ。この世界に来る直前になってシホの魂に憑りついたのがそのアインツベルン……つまり、私の、いやアインツベルンの始祖様よ』

な、なんか壮大な話になってきましたね……。
イリヤスフィール様の方の事情は理解できましたが、それとは別としてどうやってシホ様に憑りついたのでしょうか……?
イリヤスフィール様は語りました。
なんでも、もともとイリヤスフィール様の魂にも根源に帰らずに一緒にいたらしいのですが、そのアインツベルンとは元をたどれば異世界からやってきた人物(はい。この時点でさらに混乱するワード追加です)だと言って、元の世界に帰る手段を無くしてシホ様達の世界に血と技術を残したという話ですが、シホ様が異世界に飛ばされる際に、もしや元の世界に戻れるのではないか?という淡い期待を抱いてシホ様の魂に憑依したらしいのですが、そのアインツベルンの期待は見事に裏切られて、さらには魂が一つの器に収まりきらずに着火して、異世界に飛んだ拍子にシホ様の衛宮士郎としての部分の記憶が吹っ飛んでしまったという……なんてはた迷惑なうっかりさん!!?





『……と、そんなわけなの』
「ふむ……なんというか、そのアインツベルンは大丈夫なのか……?」

心底憐れんだような感じにそう心配をするエヴァンジェリン。その気持ちわたくしもわかりますとも……。

『それがね……大丈夫でもないの。シホがそれで困難な道を歩んで結果、あんな事になっちゃって塞ぎこんじゃって。私だってできたらあんのクソどもを殺してやりたかったんだしぃ!!』

イリヤスフィール様の本音が漏れて来るようです。

『ただ、それでも始祖様が持っている技術なら今のシホの事をどうにかできるかもしれないの。不死の呪いはもう解呪できないけど、それでもそこにある呪いは払拭できるかもしれない』
「それは本当ですか!?」
『ええ。だからできれば始祖様を説得して私と一緒に扉を開けて外に自由に出れるようにしてもらえると助かるの。そしてシホと一緒に会
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