049話 学園祭編 シホの精神の迷宮
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つもあるという事になるのか?」
「それだけシホ様は心に傷を負っているという事でしょうか……」
エヴァンジェリンとともにそう話していると、その片方の扉から声が聞こえてきた。
『扉の外に誰かいるの……?』
どこか幼い印象を受ける感じの声でした。
これは……シホ様から生み出された幾分友好的な感じの人格の方でしょうか……?
ですが、わたくしとエヴァンジェリンはその扉にかけられているネームプレートを見て驚愕の表情を浮かべました。
そこにはこうはっきりと書かれていたのです。
『イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの部屋』
と。
イリヤスフィール!?その名前はシホ様の姉君様の!?
シホ様がこの世界に来る前にもう死んだと伺っておりますが……。
そこにエヴァンジェリンが扉越しに、
「おい貴様。貴様は本当にイリヤスフィールで間違いないのか……?」
『誰かは分からないけど……そうだよ』
「なにか証明できるものはないのか……?ここはシホの精神領域の中だから他人の意識があるのはおかしいだろう?」
『そうなんだけど、そこには深い事情があるの!それよりこの扉を開ける事は出来ないかな!?私、シホの事を助けたいの……でも、ずっとここに閉じ込められていて表に出てこれないの……』
そう言ってイリヤスフィール様は寂しい感じの声を出していました。
これは……友好的な感じなのでしょうか?
それで私は敢えて聞いてみる事にしました。
「もし、あなた様が本当にシホ様の姉であるイリヤスフィール様なのでしたら、どうやってこの空間におられるのでしょうか……?なにか事情があるのでしたら教えていただけませんか……?」
わたくしがそう聞くとしばらくして扉の中から、
『わかった。話すわ。だから信じて!』
「はい。話してくれるのでしたらわたくしも必ずお応えします」
それでイリヤスフィール様は過去でも思い出しているかのようにぽつり、ぽつりと話し出しました。
そう……それはこの世界に来る前に自身が寿命を迎えてしまい、このままではシホ様……もとい士郎様に会えないと自覚したのだろう、例の人形師に自身の魔術回路も自身の人形に込める際に強く願ったら気づいたら魂も一緒に魔術回路の中に封入されて、シホ様が人形に移った際に、シホ様の一部になってしまったという……。
「そんな事がありえるのか……?」
『わからないわよ……でも、私はもともと小聖杯を宿していたんだからそれくらい世界が融通をきかしてくれたんじゃないの?』
「まぁ、嘘は言っていないようだな。ならば表に出てこれるようになったらシホの為に動いてくれるのか?」
『もちろんよ!なんだって私はシロウ……もといシホのお姉ちゃんなんだから!』
そう自身をこめて発言
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