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吸血鬼になったエミヤ
049話 学園祭編 シホの精神の迷宮
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「さて、気を取り直して別の扉を探すか」
「はい。ですがシホ様本人の記憶でさえあそこまで警戒されてしまいましたからもし別の扉が発見しましてもすぐに踏み込むのは推奨しません」
「だな……慎重に行こうか。この世界で殺されたら私もどうなるかはわからんからな」

そんな感じでまた歩を進めていくとどうやら一つの行き止まりにでも到着したのかそこには四つの扉が存在していました。
その一つはわたくしにも理解できます。
先ほどわたくしが封印した呪詛が濃縮されている扉なのですから。
ギリッと拳を握りしめながら、その扉にかけられているネームプレートを見やるとそこにはこう書かれていました。

『curse of Devil』

と。
なんといいますか、

「なんともわかりやすいな。『悪魔の呪い』とは……。もっと物々しいものが迎えてくれると警戒していたのだがな」
「そうですね。おそらくシホ様に呪詛を送りつける時間しかなかったのでしょうね、塗装なんてあってないものです。この中にあの悪魔の魂もあるのでしょうか……?」
「恐らくな……。して、他の三つの扉も気になるから先に見ておくか?解呪しようとしてトラップがあるのはお決まりだから他の扉も試しに見ておくのも悪くはないしな」
「エヴァンジェリン……その、なんと言いますかフラグのような発言はおやめください」

不死であろうと精神が死ねばどうなるか分からないのですよ?
もっと慎重にお願いしたいものです。
まぁ、意味深に近くにある人格の領域である扉なのですから見ておいて損はないでしょうが……。
ですが、一つの扉はまるでわかり切ったかのようなものでした。
なんせ、



『開けろぉ!!我をここからダセェ!!』



と、何度もダンダンッ!と扉を内側から叩く音が響いてきているのですから。
この扉の中にいるのがおそらくあの残忍な吸血鬼の人格なのでしょうね。
封印されているようで扉の外側には幾重にも頑丈に鎖が巻き付けられていました。

「…………ここは開けないほうがいいな。こちらからも開けられもしないが」
「ええ。シホ様の一部であろうと今は救う手立てはありません。残念ですが……」

その扉のネームプレートにはおあつらえ向きに『■■■〔別人格〕の部屋』と書かれていました。

「名前すら与えられていないのも寂しいものだな……」
「ですね。こちらに友好的な人格でしたらどうにかできたのでしょうが、シホ様の負の感情から生み出されてしまった彼女は、救いは今は保留ですね」

まことに力不足を感じてしまいますが、彼女の事は放置しましょう。
いつか救い出せることを信じて……。

「で?残り二つの扉だが……どうする?これはもしかしたらシホの人格はあと二
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