049話 学園祭編 シホの精神の迷宮
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わたくし、タマモは今現在シホ様へと憑依を決行し、精神世界の深部へと降りております。
先ほどは外側から解呪を試みましたが失敗したので、もしかしたらいつものごとく憑依して一体化すればどうにかシホ様の身体を治せる手掛かりがつかめるかもしれませんから……。
それで次々とシホ様の大切な部分へと入っていきます。
そこには今までデリケートゆえにあまり入った事がないシホ様の心の階層の入り口もあります。
そこにはまるで……迷路のように上下左右の階段が複雑に絡んで平衡感覚を狂わせられるかのような作りになっていて……。
と、そこに、ポンッ!という音とともにエヴァンジェリンの姿が出現しました。
「うむ……なんとか私も入り込めたみたいだな」
「そうみたいですね。わたくし以外がここにも入ってくると言うのはあまり快くありませんが、今は少しでも手が欲しいですからお許しいたします」
そう。なんでエヴァンジェリンまでここに入ってこれているかと言うと、やはり仮契約カードを通して精神をシホ様に流すことによってどうにかこうにか入ってこれたみたいなのです。
普通はこんな使い方などはできないようですが、エヴァンジェリンともなれば容易いのでしょうね。
「しかし……こうも迷路をしているとは……。アヤメ、貴様も今までここまでは入ってきたことはないのだよな?」
「はい、お恥ずかしながらシホ様の精神にも直結する場所ですのでそうやすやすとはいかないのです。ですから今まで憑依するのはシホ様の意識がある比較的軽い場所にわたくしのスペースを構築していたのです」
「なるほどな……ではここからは道案内もいないというわけか」
「そうなります……」
それでエヴァンジェリンは少し顎に手を添えて考える仕草をしながらも、
「ククク……面白いではないか」
「面白い、とは……?」
「なに、ここにはシホにとっても未知の世界なのだろうから、もしかしたらシホ以外の人格もどこかに潜んでいるかもしれないとな」
別の人格……つまりシホ様があの20年にも及ぶ被害で精神に異常をきたして生まれてしまった多重人格の部屋がどこかにも複数存在しているかもしれないという事ですか。
ですが、
「あの吸血鬼然とした人格の彼女もいるかもしれない、と……?」
「だろうな。学園の奴らの魔法で奥底に封印はされたと聞くが完全に封印などできはしないからな。おそらく頑丈ななにかにでも入り口を施錠されて出られないのかもしれんな。
それとは別として先ほどアヤメが封印したモノの居場所くらいは分かるのだろう?」
「当然です!」
「ならばまずはそこに案内しろ。間近で見れば私にもなにかわかるかもしれんしな」
「お任せください」
それでわたくしとエヴァンジェリンは平衡感覚が狂いそうになりそうな迷路を一つの宛を探り
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