53 競演会(コンクール)
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ピアノは好きだし、私の従兄はフルートを吹けるわよ」
「すごいわね!」
「リリィさんもピアノ習ってみたらどうかな?もしかしたら藤木君も聴きたくなるんじゃないかな?」
「う・・・、そうね。笹山さんは藤木君に喜んで貰いたいって思ったことあるの?」
「そうね・・・。私は、お菓子作るの好きだから藤木君に私の手作りのお菓子をご馳走することかな?」
「羨ましい・・・!私なんて笹山さんみたいにお菓子どころか料理上手くできないし、藤木君にはママの好きな製造者のお菓子をご馳走しているし、だから私も自分でお菓子作れたらいいのに・・・」
「ならよかったら今度ウチに遊びに来て何か作らない?ケーキとかクッキーとかの作り方教えてあげるわ」
「いいの?ありがとう!」
リリィは自分と同じ藤木に好かれている笹山が一枚上手だと感じていた。こうして二人は眠りについた。
翌日、藤木達はマイクロバスに荷物を入れ、全国ピアノコンクールが行われる音楽ホールへと向かった。なお劇場には駐車場はないため、近隣の月極駐車場にマイクロバスを駐車して向かった。
一方、音楽ホールの楽屋では、城ヶ崎と雲沢が再び顔を合わせていた。城ヶ崎は髪をポニーテールにして、父から買ってもらった紫のドレスを着ていた。雲沢は髪を降ろして緋色のカチューシャとドレスと色が統一していた。
「おはよう、雲沢さん、頑張ろうねっ!」
「あ、おはよう、城ヶ崎さん、うん、学校の皆に自慢できるようぎばむよ!」
「『ぎばむ』って?」
「『頑張る』って意味よ」
藤木達は城ヶ崎の父と出会い1階の客席の中ほどの席に座った。こうして全国ピアノコンクールの本番が開会した。コンクールが始まった。初めから、北海道、関東、中部、近畿、中国、四国、九州の順に各都道府県の代表が現れ、課題曲と自由曲を演奏するという形になった。藤木は笹山にリリィとこの場で様々な代表のピアノ伴奏を聴くことで心を和ませていた。
(皆凄いよな・・・。ピアノがあんなに上手く弾けるんだから、僕なんて無理だよ・・・。スケートなら自信あるけどな・・・)
藤木は次々に出てくる各代表の演奏を聴かされて彼女らが羨ましく思っていた。なお、小杉は退屈に思ったのかイビキをかいて爆睡していた。
その頃楽屋では、城ヶ崎が自分の番が近づいてくることに、心臓の動きが加速するような感覚を覚えた。
(やっぱり緊張する・・・。でも皆が応援しに来てくれるんだから、頑張んなきゃ・・・)
そして静岡県代表である城ヶ崎の番が来た。ステージマネジャーに呼ばれて舞台袖に向かう。そして城ヶ崎はステージに出た。そしてアナウンスが入る。
『続きまして、静岡県代表、城ヶ崎姫子さんです』
皆が拍手した。
(城ヶ崎さん、きばんで!!)
笹山は無言で城ヶ崎の健闘を祈っ
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