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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
082話 記憶巡り編 とある視点で見る記憶 その9
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て、窓から差す夕焼けの明かりももう暗くなっている中でようやく士郎さんは抜け出すことに成功して、扉をあけて飛び出そうとするが、誰かの足音を感じ警戒をしていると扉が開いてセイバーさんが飛び込んできた。
どうやら士郎さんの魔力を辿ってきたみたい。
遠坂さんとアーチャーさんも一緒にいた。
これで勝てるって訳でもないけど、なんとか勝機が見えてきたかな?
でも、やっぱりセイバーさんは戦えないほど消耗しているのか、途中で膝をついてしまう。
それでもなんとか正面入り口までやってきた一同はそれでなんとか抜け出そうとして、しかし、

『なんだ、もう帰っちゃうんだ』

イリヤさんが待ち構えていたのか全員が見えるように佇んでいた。
バーサーカーも現れて絶体絶命な感じになってきたけど、遠坂さんがアーチャーさんに足止めをしてと命令する。
それでアーチャーさんは前に出る。
士郎さん達はアーチャーさんの身を案じるが、今はこれが最適解だよね。
まともに戦えるのはこの中でアーチャーさんだけだから。


『ところで凛、一つ確認をしていいかな?時間を稼ぐのはいいが、別にあれを倒してしまっても構わんのだろう……?』


と、アーチャーさんは宣っていた。
それにわたしは素直に感心した。
この人が本当に士郎さんの未来の姿だとしたら、とてもカッコいい姿だと思う。
今現在の士郎さんも強いけど、このアーチャーさんは英霊になるほどになった士郎さんの果ての姿。
だから恐らく今の士郎さんよりも強いんだろうな。


『ええ。遠慮はいらないわ!』
『では、期待に応えるとしよう』

そして対峙するアーチャーさんとバーサーカー。
士郎さん達は後ろ髪を引かれる思いをしながらも、アーチャーさんをその場に残して逃げていこうとするけど、士郎さんが足を動かそうとした時だった。

『衛宮士郎。いいか?お前は戦うものではなく生み出すものにすぎない。余計なことは考えるな。お前に出来る事は一つ。その一つを極めてみろ』

そして士郎さんのいつものお得意の武器である干将莫邪をその手に出しながら、

『忘れるな。イメージするのは常に最強の自分だ。外敵などいらぬ。お前にとって戦う相手とは自身のイメージに他ならない』

そう言い残してアーチャーさんは天井の壁を破壊して退路を塞ぐ。




「……なんていうか、アーチャーさんかっこいいね」
「ま、アーチャーらしいな。もうてめぇの役目の終わりに薄々気づいていたんだろうぜ?士郎に託せるもんは託した感じか」
「ではやはりアーチャー殿は士郎殿の……」
「まぁ、そんなところね。私もこの時はまさかアーチャーの正体がだなんて思いもしなかったから……」

そういうイリヤさんの顔は少し愁いを帯びていた。
この戦いでなにかあっ
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