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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
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としたキリトはクラインのグラスにジュースを勢いよく注いでやる。――――表面張力が働きそうなほどに。

「どうぞ、零さないように気をつけて」
「うおおっ・・・・!これしき・・・・!!」

クラインが真剣な表情でグラスをゆっくりと持ち上げる。
動かす度に、水面が激しく揺れる。が、今日のボス戦に負けずとも劣らずの集中力でクラインは無事、ジュースを口に運ぶことに成功する。

「おっ、ホントにいけるじゃねぇか」
「キリト。俺にも晩酌よろしく」

クラインの感想を聞いて、エギルもグラスをキリトの前に置いてくる。

「先ほどの光景を見てたのに余裕だな、エギル」

キリトは人の悪い笑みを浮かべながらエギルのグラスにも限界までジュースを注ぐ。
が、エギルは自然な手つきでグラスに手を伸ばすと、流れるような動きでグラスを口元まで運んだ。

「なんだよ、面白くないな」
「フッ、出来る大人なら当然だな」
「ああ〜〜・・・・確かにエギルはクラインの数倍出来る大人イメージがあるけどな」
「おいっ、そりゃあ聞き捨てならねえぜ!」

キリトの物言いに抗議を入れるクラインに、キリトは肩を竦めながら答える。

「でもよ、お前ら2人が並んで歩いてたら、間違いなくエギルが上司でクラインが部下だぞ」

というより、クラインの下で働くエギルの姿は想像できない。
ムキムキ黒人を引き連れる無精ひげのおっさん・・・・・・・・・・・・ないな。

「へんっ!男は見た目じゃねえんだよ!中身だ!」
「中身でもエギルの方が大人だけどな」

それは今証明されたことだ。

「納得いかねえ・・・! ・・・・キリト、今度は2つだ!」

言いながら、クラインは2つのグラスをキリトの前に持ってくる。
つまり、今度は両手で運んでみせる、ということだろう。

「それは無茶だろ・・・・」

と言いながらも、キリトは2つのグラスに遠慮なく限界までジュースを注いでやる。
両手を2つのグラスへと伸ばして、深呼吸したクラインがカッと目を見開く。

「おおっ・・・・!静かなること林の如く・・・・っ!!」

こんなところで風林火山の奥義の1つを発動するクライン。
遅々とした速度でグラスが移動し、クラインの目が2つのグラスの間を高速で何度も行き来する。
だが、そんなクラインの姿を見ていても別に何も面白くないので、キリトとエギルは当たりジュース探しを再開。緑色のジュースをグラスに注いで、飲む。
今度はメロンソーダ似とはならず、不思議な苦みのある後味の悪い外れ物だった。

「げ・・・・マズイ」
「こっちもビミョーだぜ・・・・」

隣のエギルも水色の炭酸ジュースを飲んでしかめっ面になっている。
今までに開けた10本近くのジュース(あるいは酒)は
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