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レーヴァティン
第二百二十六話 関を通りその六

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「奥羽の者達にだ」
「このことを喧伝しますか」
「国人や大名の利を守ると」
「だから降れと」
「そして金山はな」
 これはというと。
「幕府のものとする」
「そうして敵味方をはっきりさせますか」
 紅葉が言ってきた、英雄は本陣で夜に隠密達の話を聞いていたがその場に仲間達もいつも通り共にいるのだ。
「そうしますか」
「そうだ、そしてな」
「そのうえで、ですね」
「金山を一つの区分としてな」
「敵と味方をですね」」
「分ける、おおむね港や領地の利が保証されるならな」
 街も同じであることは言うまでもない。
「それならな」
「従いますね」
「だがな」
「金山はですね」
「それは幕府のものにしないとならないしだ」
「多くの利を産むので」
「しかも銭を造られる」
 即ち貨幣をというのだ。
「銭を造ることは幕府のものとしないとだ」
「一つになりません」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「だからだ」
「金山そして銀山は」
「幕府が握りな」
「利として」
「そして銭も造る」
「その為にも」
「持っておく、しかしその利はな」
 金山がもたらすそれはというのだ。
「おいそれと手放せるものではない」
「それ故にですね」
「金山を持つ者達はな」
「あくまで幕府と戦いますね」
「そしてどうしても幕府に従いたくない者達もな」
 それぞれの利そして感情によってというのだ。
「そこに加わる」
「そうしてですね」
「奥羽での敵味方がはっきりする」
「そしてはっきりさせることが」
「奥羽で重要だ、奥羽は大小様々な国人や大名が乱立して根付いているが」
 しかしというのだ。
「その全ての勢力をな」
「そう分けて」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「ことを進める」
「そうしますね」
「そうだ、ではな」
「そのことをですね」
「広く言い」
 そしてというのだ。
「奥羽でのことを進める」
「そうしていき」
「津軽までをな」
「手に入れますね」
「奥羽の全てを幕府の手中に収める」
 こう言ってであった。 
 英雄は軍勢を合図にさらに進めていった、雪道を進むが。
 雪は深くかつ降り続いていた、英雄はその中の進軍を見ていた。周りの平野の部分も森も山も全て銀世界だ。
「進軍は思ったよりもな」
「速いって言うのね」
 奈央が応えた、兵達は歩いているが彼等は馬に乗っている。主な将帥は皆そうして進んでいるが歩く速さは兵達と同じだ。
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