第四章
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「このままやっていくわ」
「努力は続ける」
「ダンスのそれは」
「そうしていくのね」
「ええ、だから大学にも入学出来たし」
推薦でというのだ。
「それでさらにね」
「ロシア留学とかね」
「バレエの本場だしね」
「それが出来るなんてね」
「凄いわよね」
「踊り続けるわ」
それをというのだ。
「本当に」
「じゃあ頑張ってね」
「これからもダンス続けてね」
「バレエのそれを」
「そうしてね」
「そうしていくわ」
こう言ってだった。
瑞希は大学に入りロシアに留学してもダンスを続けた、その中でロシア人の後輩の彼女だけでなくだ。
多くの自分より凄いバレリーナを見た、だが。
努力は続けた、そして大学を出るとだった。
欧州のある世界的な歌劇場からこう言われた。
「専属のですか」
「はい、バレリーナにです」
「来て欲しいのですか」
「そして子供達の先生にも」
そちらにもというのだ。
「就任して欲しいのです」
「私がですか」
「貴女だからです」
スカウトに来た歌劇場の者はこう言った。
「是非です」
「バレリーナと先生に」
「いらして下さい、お給料は」
それはというと。
「これだけですが」
「これだけ頂けますか」
「こちらでは安い方ですが」
「とんでもないです」
瑞希は提示されたその額を日本円に換算してから答えた。
「驚いています」
「そうですか」
「本当にこれで安いですか」
「こちらとしては」
「そうですか」
「それでお返事は」
「私でよければ」
これが瑞希の返事だった。
「宜しくお願いします」
「それでは」
歌劇場のスタッフも頷いてだった。
瑞希はその歌劇場で働く様になった、そうして踊り子供達に教え。
自分もレッスンで踊り続けた、そうしながら子供達に言った。
「上手になりたければ踊りなさい、誰かに負けても」
「踊るんですか」
「そうすればいいんですか」
「そうよ、踊ればね」
バレエ、それをというのだ。
「上手になって勝てるわ」
「自分より凄い人がいても」
「それでもですか」
「踊ればですか」
「そうなるから。他の人を嫌に思うなら」
それならというのだ。
「いいわね、まずはね」
「踊る」
「そうすればいいんですね」
「私達は」
「そうすればいいの、だから踊りなさい」
生徒達に技術だけでなく努力も教えた、そうして自らも踊り続けた。その中でロシアのあの後輩がサンクトペテルブルグの劇場でプリマドンナとして栄冠に輝いていることを聞いた。すると彼女は自然とよかったわねと笑顔になった。そこには努力の素晴らしさとそこから得たものを知っている輝きがあった。
ダンスダンスダンス 完
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