第四章
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新たなものを造った、それ何かというと。
「あれっ、これは」
「そう、私」
見ればフィギュアはフィギュアだが澄香そのものだった。
「私をなの」
「造ってみましたか」
「そう」
着ているのは女子の制服だった、二人が通っている高校のそれで紺のブレザーとミニスカートそれに青のネクタイと白のブラウスといったものだ。
「私自身。喋るから」
「今度は喋るんですか」
「動くだけじゃなくて」
それに加えてというのだ。
「簡単だけれど」
「喋るんですね」
「これもピクシヴからヒントを得た」
「それはそのままですね」
「そう、それでだけれど」
「これからは」
「そして」
澄香は田中にさらに言った。
「よかったら」
「あっ、僕にですか」
「貰って欲しいけれど」
「わかりました」
即座にだ、田中は澄香に答えた。
「そうさせてもらいます」
「いいの」
「だってずっと一緒にいますから」
お互い幼い時からだというのだ。
「僕と先輩って」
「幼稚園の時から」
「学年は違うんで小学校でも中学校でも高校でも一年は別々でしたけれど」
それでもというのだ。
「いつも一緒ですね」
「だからなの」
「そうですから」
それ故にというのだ。
「先輩と一緒にいるということで」
「お部屋でも」
「お願いします、ただです」
今度は田中から言ってきた。
「僕のフィギュアも造ってくれますか」
「田中のもなの」
「それで先輩のところに置いてくれますか」
自分のフィギュアをというのだ。
「そうしてくれますか」
「そうしていいの」
「ずっと一緒にいたんですから」
「だからフィギュアもなの」
「はい、一緒に」
是非にという返事だった。
「そうしましょう」
「それじゃあ」
二人でこう話してだった、そのうえで。
澄香は田中のフィギュアも造って自分の部屋に置いた、そしてそのフィギュアを机の上に置いてさらに発明をしていくと。
今も一緒にいる田中に言った。
「田中といつも一緒と思うと」
「僕が家に帰っている時もですね」
「その時もだと思うと」
それならというのだ。
「余計にはかどって閃いて」
「発明がですか」
「よりよくなった」
「僕もです。自分の家にいても」
田中も田中で述べた。
「先輩と一緒ですと文章の方も」
「調子がいい」
「はい」
実際にというのだ。
「そうなっています」
「そうなのね」
「お互いにといいましたけれど」
「それ自体が」
「僕達も気持ちですね」
「そうね。私達は」
まさにとだ、澄香は述べた。
「どうもね」
「いつも一緒にいる中で」
「自然とそうした感情を持ったのね」
「そうですね、じゃあ」
「これからも一緒にね」
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