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発明少女
第三章

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「持ち主があのポーズとか言えばそうした動きをする」
「そんなフィギュアですか」
「言葉に反応して」
「そんなもの発明出来ます?」
 田中は澄香に聞き返した。
「凄いですよ」
「簡単な動きだから」
 澄香はこう答えた、今は色々フィギュアを実際にネットで観つつ研究している。観れば十年以上前のアニメキャラの体操服姿のフィギュアだ。
「出来る」
「ロボットみたいなのですか」
「そう、そんな感じ」
「フィギュアをロボットにするんですね」
「簡単に言えばそう」
「そうですか」
「それでピクシブからヒントを得た」
 ここからというのだ。
「言葉に反応するのは」
「それで、ですか」
「本当に閃きは色々なところにある」
「そうですね、九十九パーセントの努力にですね」
「一パーセントの閃きだけれど」
「その閃きは努力の中で培われますね」
「そう思う。それじゃあ」
 澄香は田中に応えてだった。
 そうしてだ、彼女自身が言うピクシヴから得た閃きも使ってフィギュアを造った、それはオリジナルのメイドのものだったが。
 そのメイドのフィギュアにだ、澄香が声をかけた。
「これに着替えて」
「着せ替えですか」
「自分で出来る着せ替えなの」
 それだとだ、澄香は一緒に見ている田中に答えた。
「そうなの」
「だからですか」
「そう、だから」
 それでというのだ。
「このセーラー服を渡したら」
「メイド服からですか」
「着替えるから」
 そうなるからだというのだ。
「今から渡すわ」
「それじゃあ」
 田中も応えてだった。
 彼は澄香が造ったフィギュア、セーラー服を手渡されたそれがしっかりとメイド服から着替えるのを見た。そして。
 着替え終わってからだ、田中は澄香に言った。
「これも凄いですね」
「そうね、自信作よ」
「それがわかります」
「ええ、ただ」
「ただ?」
「ここから思いついた」
 無表情で抑揚のない声で述べた。
「新しいことが」
「閃きましたか」
「そう」
 その通りだというのだ。
「だからすぐに新たな発明に入る」
「そしてその発明は」
「乞うご期待」
 今はこう言うだけだった、だが実際にだった。
 澄香は新たな発明にかかった、そして。
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