第一章
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発明少女
西澄香は天才と言われている。
理系の成績は高校で常にトップであり満点しか取っていない、そして。
趣味は発明だ、その発明はまさに天性の閃きと絶え間ない努力が結びついたものであり。
色々なものを発明した、まだ高校二年生だが数十の特許を取得していてさらに毎日発明に励んでいる。
それでだ、今もだったが。
自宅にもうけた研究室で発明に勤しむ彼女に助手と言われる様な立場になっている田中義直は問うた。澄香と同じ高校の一年生であり幼い頃から一緒にいる。澄香が理系なのに対して彼文系で常に満点である。そして作文や小説のコンクールに出せばいつも金賞だ。
「先輩、今度は何の発明していますか?」
「マジックハンド」
西は設計図を書きつつ田中に答えた、茶色の髪の毛はボブであり眠そうな目をしている。やや丸顔で色白で背は一五一程で幼児体型と言われる体型である。
「それを」
「マジックハンドですか」
「手の先がかなり伸びて百メートル先まで使える」
そうしたというのだ。
「マジックハンド」
「安全な場所で作業出来ますね」
「それを作ってるから」
「それはいいですね」
「まだ設計図だけれど」
その段階だがというのだ。
「必ず出来る」
「それで僕がすることは」
田中は澄香に問うた、黒髪は短く丸い大人しい感じの目で色白でやはり丸い顔だ。背は一七〇程で朴訥とした感じで黒の詰襟の制服がよく似合っている。
「ありますか」
「特にないわ」
これが澄香の返事だった。
「今は」
「そうですか」
「まだ設計図の段階だから」
それでというのだ。
「まだいいから」
「じゃあお茶入れますね」
「シナモンティー」
お茶と聞いて澄香はすぐに注文した。
「お砂糖なしで」
「お菓子はいりますか?」
「お菓子はワッフル」
それだというのだ。
「一個お願い」
「わかりました」
田中も答えてだった。
すぐにシナモンティーとワッフルを持って来た、澄香はその二つを楽しみながらそのうえでそのマジックハンドを発明していった。
マジックハンドは無事開発に成功し澄香は特許を出願した。無事に特許は認められある大企業に採用されて澄香は多くの利益も得た。
だが澄香はその利益に興味を見せず今度はこう言った。
「今度はブーツを作るわ」
「ブーツですか」
「自衛隊のブーツを」
これをというのだ。
「音のしない」
「ブーツって音しますよ」
田中は澄香の今の言葉に即座に突っ込みを入れた。
「それをですか」
「音がしない様にするから」
そうしたブーツを発明するというのだ。
「これから」
「そうされますか」
「自衛隊は隠密行動も必要」
「それはそうですね」
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