暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
人の心を持った怪物
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
奈美の首を狙ったグレムリンの刃に、可奈美は戦慄した。

「この切っ先……もしかして、これまでも人を切って来たの?」
「すごいね! 刀使って、本当に剣で相手と会話できるんだ!」
「つまり……人間の心のままの怪物ってこと……? それじゃあ、ご当主様の逆……迅位!」

 グレムリンの刃と鍔迫り合いになった可奈美は、瞬時に上位の時間流へ飛んで行く。それは、グレムリンの速度を優に上回り、逆に彼の対応外の速度で攻撃を重ねていく。

「うわ、早いなあ……」

 可奈美の攻撃を受ける他ないグレムリンが、放心したように呟いた。
 だが。

「でも、普通に見切れるんだよね」

 グレムリンは、可奈美の斬撃をその二本の剣で防いでみせた。

「えっ!?」
「甘いよ。可奈美ちゃん!」

 驚きのあまりに静止してしまった可奈美。そこへ、グレムリンはさらに剣でのラッシュを仕掛けてくる。

「っ!」

 可奈美の剣術は、相手の攻撃を受けて流すことがメイン。
 それは例えファントムであるグレムリンであっても変わらない。だが、だんだんとグレムリンの剣を受けている可奈美の表情は、陰っていった。

「だからなの……? この人の剣……すごく、冷たい……!」
「へえ? 冷たい? ひどいなあ……ところで、剣が冷たいってどういう意味?」

 グレムリンが顔を寄せながら尋ねる。
 だが、可奈美がそれに返答するよりも早く、グレムリンはどんんどん攻撃を続けていく。

「切りたい……! やっぱり切りたい!」

 グレムリンはどんどん過激な攻撃になっていく。
 だが。

『ハリケーン シューティングストライク』

 突如吹き荒れる緑の風。
 風のウィザードは、可奈美の頭上よりグレムリンへ緑の銃撃を放っていた。
 ウィザードの銃口。それは、グレムリン本体ではなく、その脇。銃弾が進むと、緑の風が竜巻のようにグレムリンを巻き上げていく。

「うわああっ!」
「お前の弱点は分かってる。空中ならもう逃げられないってこともな」
「へへっ……流石はハルト君。僕とはやっぱり、長い付き合いだからね」
「……」

 ウィザードは無言のまま、緑の風を足元に発生させる。
 完全に身動きが取れないグレムリンへ、容赦ない風の斬撃を突き付けていった。

「ぐあっ!」

 さらに、落下しようとするグレムリンの体は、ウィザードの両足により蹴り上げられる。

『チョーイイネ サンダー サイコー』
「本当に……遠慮がないね、ハルト君は!」

 グレムリンは剣を交差して、緑の雷を防ぐ。
 散りばめられていく火花。そして、電撃はそのまま、グレムリンをどんどん上昇させていく。
そしてウィザードは、即座に最後の指輪を右手に通す。
 それは
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ