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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
始まりの章-世界は終わった、しかし物語はここから始まる-
姫のマスターはひねくれゲス野郎でした。
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「きゃあああ!!何これ!?」
「痛い!!こいつ噛み付いてくる!!」

真っ黒な塊に飲まれる正義御一行。
彼らは皆慌て、群がる折紙蝙蝠を手で追い払おうとしているも、それは全くの無意味。
あと誰かさっき雑魚サーヴァントとか言ってたな。
雑魚なら倒してみろよ。やれるもんなら。

「一誠くん!!これはなんだ!!今すぐやめさせるんだ!!」

蝙蝠を追い払いながら、正義は視線をこちらに向け必死の形相で訴えてくる。
知るかそんなの。

「お前が仲間になれとかクソうるさいからイライラしてやった。前々から言いたかったけど俺、お前みたいな奴大っ嫌いなんでな。というわけでここで死んでくれ。」
「キミは…!!くそっ!!」

蝙蝠に襲われながらも正義は踵を返し、走り出す。

「みんな!!さっき通ったところに川があっただろう!!そこまで走って飛び込むんだ!!そうすればこいつらには襲われないはずだ!!」

と、正義の指示を受け熱い友情で結ばれているらしいお仲間さんたちは後に続いて走り出す。
しかし中には時すでに遅しというものも多く、逃げている途中で息絶え、その場に倒れる者もいた。
そうして奴らは、俺らの前からいなくなった。

「…。」
「…。」

風が吹き、やや血の匂いが漂ってくる中少しの沈黙の後、おっきーが口を開く。

「ねぇ、まーちゃん。」
「なんだよ?」
「意地悪な質問しちゃうかもだけどさ…人を殺しちゃったって、罪悪感はある?」
「ない。」

即答した。

「あんなムカつく陽キャ集団殺せて逆に清々しいね。教室でもギャーギャーうるさくてよ。昔っからどうにかして合法的に殺せねーかななんて考えてたくらいだからな。」
「…そっか。」

と、俺の答えを聞きうんうんと何度も頷くおっきー。

「…幻滅したかよ?」
「ううん。逆。それでこそ姫のまーちゃんだなぁって。まーちゃんの嫌いな奴、邪魔するやつはみんな死んじゃっていいよ。」
「…。」

笑顔でそう返すもんだからこっちも思わず頬が緩んでしまう。
そうだ、こんな世界なんだ。
社会は崩壊し、法律も多分機能してない。
だったら気に入らないクソ野郎なんて殺せばいい。

「それに俺、性格のひねくれたこの上ないゲス野郎だからさ。困ってる人助けられるほどお人好しでもないんでな。」
「うん。姫はいいと思うよ。まーちゃんのそういうとこ。」

さて、あの集団がどうなったのかはもうどうでもいい。
俺達は友情ごっこしてる暇無いし、目指すべきところがあるしやるべき事もある。

おそらく…いやきっと俺はどこかでこの報いを受ける日が来るかもしれない。
でも別にいい。自分さえ良ければなんだっていい、ゲス野郎なのだから。
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