第2部
テドン
テドンの真実
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の町を無理やり現世にとどめようとしているのかもしれない。 もしくは、この町の人間全てが」
そう言って、ユウリは遠くを仰ぎ見た。
魔王軍の攻撃によって、町の人たちは何も知らずに命を落としてしまった。 もしかしたら、その無念や哀しみによって現世に縛られ、天へ召されぬままずっとこの町に留まり続けている、ということだろうか。 だが、生きている人間がこの場にいない今、それも単なる憶測にすぎない。
「これからどうする?」
本来ならすぐにでも船へと戻りたい所だが、こんな謎だらけの状況を残したまま戻るのは本意ではない。
「……そうだな。この町が本当に魔王によって滅ぼされたのかを調べてみるか」
ユウリと私の考えが一致し、私は大きくうなずいた。
「でも、色々見てきたけど、どこもこんな状態だったよ」
ここに来るまでにあちこちを見て回ったが、町はここからでも見渡せるほど荒れ果てており、手がかりになりそうなものや場所は何一つ見当たらなかった。それはユウリも同じはず。
「ああ。生きている人間がいない限り、この町で情報を得られることは何もない。それ以外なら話は別だが」
「?」
どういう意味かと、首をかしげる。
「夕べ男共が話してただろ。町外れに、イグノーと仲のいい女がいると」
「あ……!!」
確か名前は……カリーナさん、だったっけ。
「町外れに住んでいるなら、もしかしたらまだ生きているかもしれない。探して聞いてみる価値はあるはずだ」
「うん!」
一縷の望みを懸け、私たちは町外れのカリーナさんのところまで向かうことにしたのだった。
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