第一章
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足はいつも奇麗に
北川長月は主婦である、毎日家中を掃除して入浴もする位の奇麗好きだ。黒い髪の毛をショートにしていてきりっとした目で眉は斜め上に上がっている。背は一六六程でスタイルは引き締まっていて出る部分はかなり出ている。
その彼女はいつも夫の孝弘に風呂に入る様に言い。
「足の裏は帰ったらね」
「消毒か」
「そう、手だけじゃなくてね」
大柄で筋肉質でいかつい顔立ちに細い目で黒髪を短くしている彼に話した。
「足もね」
「奇麗にしないと駄目か」
「さもないと」
「汚いか」
「あなたは外に出て働いてるでしょ」
建設業で現場にいることを話した。
「だから余計にね」
「土と一緒だからな」
「そう、だからね」
「清潔にしないと駄目か」
「毎日お風呂に入って」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「手だけでなく足もか」
「いつも奇麗によ」
こう言って夫の足の裏に書毒スプレーをかける、これが長月の言う消毒で夫が家に帰るといつもしている。
「靴下も穿いて」
「そうしてだな」
「奇麗によ」
「それがいいか」
「絶対にね、じゃあお風呂もね」
「ああ、入るな」
「そうしてね」
こう言って仕事から帰った夫を風呂に入らせた、長月は兎角奇麗好きでそれを夫に対してもさせていた。
だが北川はそんな妻について部下達に言っていた。
「女房に毎日風呂に入ってな」
「それで手だけでなく足もですね」
「家から帰ったら奇麗にしろ」
「そう言われてるんですね」
「いつもな、そしてな」
昼休みに弁当を食べつつ話した、長月が作ったものだ。見ればご飯を軸に魚と野菜がバランスよくある。
「奇麗にしてるけれどな」
「それでもですか」
「やっぱりどうにもってなりますね」
「そんな時がありますね」
「そうなんだよな、風呂はいいにしてもな」
北川は弁当を食べつつ話した。
「それでもな」
「手もまだわかりますけれどね」
「インフルエンザ対策にもなりますし」
「けれど足の裏までは」
「ちょっと、なんですね」
「そこまでしなくていいだろって思うよ」
北川は本音を述べた。
「本当にな」
「そうですよね」
「そこはですね」
「どうしてもですね」
「まあな、何でそこまでするんだ」
妻の奇麗好き彼にしてみれば潔癖症について思った、だがそれ以外はこれといって不平はなくてだった。
普通に過ごしていたがある日。
軍隊生活についての本を家で読んでいて言った。
「軍隊ってインキン多いんだな」
「特に海軍さんがそうみたいね」
「日本だと海上自衛隊だな」
「ずっと海にいてね」
そうしてとだ、長月は洗った食器を拭きつつ夫に話した。見れば彼はリビングでその本を読
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