第二章
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「吉次にご馳走するけれど」
「ああ、彼氏さんに」
「その人にそうするのね」
「今度は」
「そうするのよ、楽しみよ」
笑顔でこう言った、カウンターで友人達と並んで座って替え玉を待っている。その間もにこにこと話している。
「今からね」
「それはいいわね、ただね」
「やっぱりその時のお料理も」
「それも」
「カルボナーラとね」
スパゲティと、というのだ。
「あとスペアリブにサラダよ」
「それなのね」
「それ作るのね」
「そうするのね」
「何かそのメニューもね」
カルボナーラやスペアリブもというのだ。
「ワイルドね」
「女の子ってよくお菓子とか可愛いの作るって言うけれど」
「それでも奈々は違うわね」
「そうね」
「そう、けれどね」
それでもというのだ。
「私はそうするから。というかお菓子は作れてもね」
「あれよね、アップルパイとかよね」
「そっちもワイルド系よね」
「クッキーとか繊細系じゃないわよね」
「奈々の作るお菓子って」
「繊細系は苦手なのよ」
こう言うのだった。
「私は」
「それでよね」
「それで彼氏さん納得してくれたらいいけれど」
「どうかしらね」
「そのことは」
「美味しいもの作るから」
奈々は笑顔で言い切った。
「だからね」
「大丈夫なのね」
「そのことも」
「そうなのね」
「そう、絶対にね」
明るい笑顔で言った。
「吉次のハートだけでなくストマックもゲットするわ」
「そこまで言うなら」
「それならね」
「やってみてね」
「ええ、そうするわ」
こう言って替え玉を自分の丼で受けて食べはじめた、そうしてだった。
彼氏の石田吉次一八〇ある長身で長方形の顔で黒髪を短くした小さな目の筋骨隆々の彼を家に招いた。そのうえで。
サラダにカルボナーラそれにスペアリブを出した、スイーツはフルーツの盛り合わせだった。
それを食べてだ、彼氏は笑顔で言った。
「美味いな」
「気に入ってくれた?」
「俺こうした料理好きなんだよ」
食べつつ言うのだった、見ればかなり旺盛な食欲だ。
「味付けも」
「そうなの」
「ああ、だからもっと食っていいよな」
「遠慮は嫌いよ」
「それじゃあな」
「またご馳走していい?」
「大歓迎だよ」
笑顔で言ってだった。
彼はそれからも奈々の料理を楽しむ様になった、そして二人の仲はより親密になった。その話を奈々自身から聞いてだった。
クラスメイトはそれはよかったという顔になって言った。
「ワイルドでもね」
「それでも気に入ってくれたら」
「それならいいわね」
「そうよね」
「やっぱりあれね」
友人達はうどん屋でうどんを食べつつ言った、福岡のうどんである。
「お料理を気に入ってくれ
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