暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
紅白戦
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オリーなのだが、真田は頭をかくと予想外のことを言い出した。

「今回はお前ら二人は同じチームでやってもらうよ」
「「え?」」

二人は驚きの声をあげた後、顔を見合わせる。その反応は彼の中では予想できていたようで彼は理由を話し始める。

「最初は別々にしようと思ったんだけどな、さすがにあいつにお前のキャッチャーはいきなりはキツいだろうと思ってな」
「あいつって……」

誰のことを言っているのかすぐにわかった二人はその少女の方へと視線を向ける。元気いっぱいで後ろを走っている水髪のツインテールの少女。そしてそれは、紅白戦のあるポジションの確定を意味していた。

「大丈夫ですか?あの子初心者ですよね?」
「そこが問題点だからな。だから明里と優愛をそっちのチームに入れておく」

もしキャッチャーをこなせそうにない場合ももちろん考えている。しかし、いまだにプレイをまともに見たことがない選手に期待を寄せている真田を見るのは初めてだった二人は、そこが引っ掛かってしまった。

「ずいぶん期待してるんですね」
「何か持っているような気がするんだよな、あいつは」
「何かというと?」
「それはわからん」

監督のその発言にズッコケそうになる。何か確信があるわけではなく彼なりの勘なのだろうとは思えるが、もっと核心的な言葉を期待していた彼女たちは苦笑いを浮かべてしまう。

「お前たちの方には葉月を入れて、栞里と伊織、明里と優愛を同じチームにするから実力的には問題ないだろ」
「まぁ……大丈夫だと思います」
「それから、陽香は長いイニングは投げさせないからな。日曜日と月曜日にも試合が入ったから」
「え?試合組めたんですね」

ゴールデンウィークは関東大会も被っていたため試合を組むに組めずにいた。その結果が紅白戦かと思っていたが、その翌日から二日連続で……しかもダブルヘッダーを組むことができたらしい。

「あぁ、それもいいところと組めたぞ」
「どこですか?」
「日曜日は千葉商工と作聖学院だ」
「「!!」」

その学校名を聞いた瞬間に二人の顔がひきつった。それを見て真田はニヤリと笑みを浮かべると、さらに続ける。

「月曜日は高崎一高と西大横浜と組めたぞ」

彼女たちの普段のキリッとした表情が崩れていくのが面白かったのか、煽るように続ける真田。次々に出るその強豪校の名前に二人は開いた口が塞がらないといった状態だった。

「なんでそんないいところと……」
「全部関東行けなかったからな」

関東大会に進めなかった学校は必然的にゴールデンウィークが空く。それが準決勝まで進んだ学校であれば、日程を被せられる相手も限られてくるわけで……

「他にも数校からお願いされたけど、人数が少ないうちでは対応しきれないからな
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