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レーヴァティン
第二百二十四話 大雪はその十四

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「かなりいい、むしろだ」
「後の時代の皇帝達ですね」
「五朝だな」
「六朝のうちの」
 俗に魏晋南北朝と言われる、南北朝は宋斉梁陳の四朝だ。
「そして北の十六国ですね」
「五胡のな」
「その国々の皇帝達は」
「暗愚な奴も暴君もいたが」
「どれもがです」
「劉禅なぞ比べものにならないまでに酷かった」
 そうだったというのだ。
「実にな」
「全く以て」
「優れた家臣を殺しな」
「暴政を行い」
「人を訳もなく殺した」
「そうした皇帝ばかりでした」
 良太も言った、事実この時代の皇帝達は碌でもない皇帝が多かった。
「そうした意味でもです」
「中国にとって悪い時代だった」
「戦乱が絶えず」
 そしてというのだ。
「統治はそうであり」
「それを見るとな」
「劉禅はどれだけましか」
「そうだったな」
「あの時代はわしも知っちょるが」 
 当季も言ってきた。
「実にぜよ」
「酷かったな」
「皇帝についてものう」
「そして劉禅はな」
「遥かにましぜよ」
「その通りだな」
「自分を並とわかっちょったら」
 それでというのだ。
「それだけで、ぜよ」
「並ではないな」
「そうぜよ」
 こう英雄に話した。
「それだけでのう」
「自分がわかっているとな」
「暗愚と言われていてものう」
「暗愚ではないな」
「少なくとも有能な家臣殺すことなく」
 そしてというのだ。
「逆に全部任せるんならぜよ」
「優れていると言えるな」
「まあ佞臣の言葉も信じるのはいかんが」
 史書では劉禅を白い糸と言っていた、如何にも染まるというのだ。
「それでもぜよ」
「暴虐でもないしな」
「ええぜよ」
「全くだな」
「まっこと後の皇帝達は最低ぜよ」
「晋からな」
「残虐だったり無能さもぜよ」
 これもというのだ。
「劉禅さんかなぜよ」
「遥かにましだ」
「そのレベルだったぜよ」
「暴君と凡君どちらがいいか」
「凡君ぜよ」  
 当季は言い切った。
「後の時代の皇帝より劉禅さんは遥かにいいぜよ」
「比較にならないまでにな」
「孔明さんがいた時は孔明さんを完全に信頼して」
 演義では北伐の邪魔をしていたとなっているが史実ではそうしたことは一切なかった、彼に全幅の信頼を置いて政治を任せていたのだ。 
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