第二章
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「別にいいだろ」
「それで仕事出来てるならな」
「それに越したことないじゃない」
「何も問題ないだろ」
「そうよね」
「気にし過ぎだろ」
「そう言うけれどな」
浜名は同期達にも言った。
「こいつは極端だろ」
「厳し過ぎるってか?」
「妥協がなさ過ぎる」
「そうだっていうのか」
「そうなのね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「こいつは」
「私は言われても変えないわ」
由紀も言ってきた。
「お仕事はね」
「そうか、あくまでだな」
「お家を出て帰るまでがお仕事よ」
実に生真面目な声で言い切った。
「だからよ」
「そうか、じゃあそうしろ」
浜名もやれやれとなりながら応えた、もう由紀はそうした人間だということで納得するしかなかった。それでだった。
彼女とは仕事だけの付き合いだった、しかし。
ある休日街で彼女とデートで朝から夜までぶらぶらと食べたり喫茶店に入ったりカラオケボックスに入って歌ってだ。
居酒屋で飲んだ、そうしていると。
店に自分達と同じカップルが入ったのを見た、男女共に自分と同じ位の年齢で男の方は黒髪を短くして長身ですらりとしたスタイルに相応しい外出用のお洒落な服装のきらきらした目で白い歯が印象的な所謂イケメンで。
女の方、かなり短い赤のひらひらしたスカートにピンクのフリルが多い可愛らしい感じのブラウスを着て髪を下ろし少女的なアクセサリーを多く着けた彼女を見てだった。
浜名は思わず飲んでいたビールを吹き出しそうになった、そうして黒髪でロングの毛で垂れ目でやや面長の顔で小柄だがスタイルのいい彼女の湯浅啓子に言われた。
「どうしたの?」
「あっ、いや」
吹き出しそうになるのを必死に止めて啓子に答えた。
「何でもないよ」
「そうなの?」
「ああ、じゃあ飲もうな」
「それじゃあね」
啓子は別におかしいと思わずだった。
彼の言葉に頷いて飲んで食べた、肴のだし巻き玉子も枝豆も美味しくそれで楽しんでいたが浜名はというと。
彼女を見た、するとだった。
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