第九話 モテたい年頃のキリト君(キリット part1
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、キリトの奴はあの可愛らしい少女サッちゃんに、普段はなんて事の無い中堅プレイヤーのフリをしておいて、実は攻略組の中でも一、二を誇るトッププレイヤーだった!! というシチュエーションをやりたくて今し方は嘘をついていると、まあこういう訳ですな」
「はぁ……? キリトが、そんな事考えてるって言うのか?」
「間違いないね。だってキリトってあれじゃん、どうやらビーターとか名乗って、自分は他のベータテスターとは一線を画した天才プレイヤーだって周りに言いふらしているらしいじゃん?」
うんグラント、そこになおれ。貴様はとても酷い勘違いをしている。そしてトミィ氏。変顔メッセヤメレ。
「……色々言いたいけど、まぁ確かにその理屈だと説明はつくな。なるほど……つまり彼の事を考えたら今は乗ってあげた方がいいと」
「そういう訳ですな、うん」
キリトさん聞こえていたのか、とっても切なそうな表情でこちらを見ております。ごもっとも、グラント鬼畜かよ。ハルくんに何教えてやがる。
「ほ、ほら! そこ曲がったらもうボス部屋なんだから、みんな準備しないとな!」
何とも居た堪れない雰囲気になってしまったその場を必死に切り替えようとキリトが声を張り上げる。それに、一連の流れに全くついて行けていなかったサチが応じ、手にしていた槍を構えた。
「うん、緊張するけど……私、頑張るね」
「サチ、大丈夫か? 怖かったら、無理して戦わなくても良いからな?」
「……本当はね、やっぱり怖い。いつもは月夜の黒猫団のみんながいてくれるけど、今はグラントさん達とキリトしかいなくて……。
でも、私は信じてるから。君は言ってくれたよね、私は絶対に死なないって」
「……ああ、保証する。君は絶対に死なない……俺が、死なせない。
グラントさん達も、サチの事を守ってやってくれよな。みんなでボスを倒すぞ……!」
「ねえ、キリト。言いにくいんだけど……。
グラントさん達、もうボス部屋に入って戦ってるよ?」
「ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉぁぉぉぉ!!」
やってしまったキリトくん。誰もいないのに一人かっこいい掛け声である。というかオンエアしちゃダメな声出ちゃってるぞ。
(part2へつづく)
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