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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga34三界の戦宴〜Crisis〜
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魔術師に比べれば空戦術師も陸戦術師もはるかに弱い。現代の魔術師を鍛え、今現在人類が相手にしている脅威との戦争で、被害を少しでも抑える。それが私の総督としての仕事だ。

(政治家にはなりたくないからという理由で軍人への復帰だったが、まさかいきなりトップに就かされるとはな。まぁ戦いしか能がない私には天職とも言えるから文句はないが)

リオとミオからスケジュールを聞き、早速仕事に出かけようとしたその時、室内の至る所に空間モニター(私が魔法技術を基に魔術式を開発し、同盟世界に広めた)が展開され、EMERGENCYのメッセージと共に警報を鳴らした。さらに別のモニターが展開され、『マスター!』と切羽詰まった声で私を呼んだ「フェンリル!」が表示された。

『アールヴヘイムとユングガルドよりマス――ルシリオン総督とヴァルキリーの出撃要請があったの! ヘイズヘイムとギンヌンガガブの2つの世界にて両勢力の下級から中級戦力の出現を確認! ヘイズヘイムではおよそ150対150、ギンヌンガガブではおよそ300対300! 下級戦力は魔術師でも相手になるけど、中級となってくるとマスターやヴァルキリー級が必要になる!』

「判った! リコ、エリス、リナ」

『『『はい。お父様!』』』

私が通信を繋げたのは“ユグドラシル”の最下層ノルニルの泉に設置している“ノルニルシステム”。モニターが3つと展開され、女性3人の姿が表示された。
“ヴァルキリー”システムを管制する戦天使統括システムの管制プログラム、長女のアプリコット。再誕戦争時はヨツンヘイム連合に与する世界を監視させ、現在は同盟世界の看守を任せる世界看守システムの管制プログラム、次女のエリスリナ。アースガルドとビフレスト、ビフレストと他世界を繋ぐ転移門を創り出す、時空間支配システムの管制プログラム、三女のリナリアの3人だ。

「エリス。ヘイズヘイムとギンヌンガガブとの映像を」

『はい。ただいま』

新しく展開されたモニターに人類の脅威となっている2つの勢力が映し出される。およそ600の暴力が衝突し合い、互いを殲滅しようとしている。それだけなら放っておいても問題ないのだが、その2つの勢力は人類に対しても敵対心を抱き、攻撃対象にしていることだ。ユングガルト政府の監視を受けているギンヌンガガブは無人世界だが、ヘイズヘイムはアールヴヘイムの姉妹世界、つまり有人世界だ。被害を出すわけにはいかない。

「まったく。召喚者無しで表層世界(にんげんかい)に来てほしくないな、魔族には」

「それを言ったら天属もですよ。勝手に魔族との戦争を始めて、魔族に戦いを挑みながらついでみたく人間にも戦争を仕掛けてきたんですし」

「魔族も魔族でケンカを売ってきたんだよね。嫌になるよ」

そう。人類は今、天属――
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